映画「ハリーポッター」シリーズの影響もあり、フクロウが最近ペットとしての脚光を浴びているようですが、飼い方には十分な注意が必要です。フクロウの飼い方について。
ペットとしてのフクロウの飼い方
フクロウは、夜行性なうえに猛禽類(鷲や鷹と同じ仲間)でもあり他の生き物を捕食する修正があるため、飼育は簡単ではありません。
また、売買にワシントン条約が絡んでいる関係上、日本産のフクロウを飼うことは出来ません(ペットショップやホームセンターなどで販売されている個体は海外からの正式な手続きを経て輸入された個体か、もしくはそれらを繁殖させて生まれた個体となります)。
餌の与え方
食物連鎖上野生のフクロウは夜行性動物の頂点に立つ生き物ですので、ネズミや小鳥などの小動物を捕食しています。ペットとして飼育する場合もやはり例外ではなく、新鮮な生肉が餌となります。
そのためラットやヒヨコ、ウズラの初生雛を一口大に切って与えることがあるようですが、猛禽類や爬虫類を扱うショップなどでは、冷凍されたものが販売されているようですので、そちらを利用する方が手軽なようです。
人工飼料も販売されているようですが、野生下のフクロウは捕食した生き物の血からビタミンを、骨からカルシウムを摂取していますので、そういった観点からも人工飼料をメインにしない方がいいでしょう。
またスーパーマーケットなどで販売されている生肉ですが、与えて体調が悪くなる例もあるようですので、よほど他に与える餌がないなど、非常時以外は避けた方がいいでしょう。
与える頻度ですが、大人のフクロウの場合1日に1~2回、1回あたりの給餌量は体重の15~20%が目安となります。
与える際の注意としてはピンセットなどで掴んで与えるほうがいいでしょう。直接手で与え続けた場合、餌をもっていない状態で手を出して餌と勘違いされ飼い主さんが手をかまれるという事故の例もあるようです。
フクロウは飼い主さんが餌を与えずに餓死させてしまうという例が多いようですので、与え方を含めた給餌の管理には十分な注意が必要です。
飼育環境
他の道具として、やはり鳥類ですので止まり木やケージは必要ですし、水飲みや水浴び容器、猛禽類ということもありますので、皮手袋や爪切りなども必要となります。
止まり木は止まるというより乗るための台のようなものがいいでしょう。ショップなどで専用のものが販売されていますので、初めての場合は店員さんにアドバイスを受けて購入するほうが無難なようです。
慣れてきたら太めの木材などを使用して手作りするのもいいかも知れません。
ケージですが、フクロウは縄張り意識が強く自分のテリトリーが荒らされることでストレスを感じやすい習性がありますので、はじめのうちはケージを用意して、「ここが自分の縄張り」と思わせるように飼育したほうがいいでしょう。
大きさ的には体長が20cmほどの場合でしたら1辺70cm程度が目安となりますが、この辺りもショップ店員さんのアドバイスをご参考に。
室内で放し飼いにしている飼い主さんもいるようですが、飼育に慣れて縄張り習性やフクロウの管理になれた上級者向けですので、初心者はやらない方が無難なようです。
水飲み容器は必須となりますが、水浴び容器は放鳥時に用意するだけの飼い主さんも多いようです。
どちらの容器もプラスティック製のものよりも陶器製のほうが清潔で落とさない限りは丈夫ですので、オススメです。水浴び容器はフクロウのおなかの下の部分が当たる深さがいいでしょう。
皮手袋は猛禽類ショップなどで販売されている専用のもので、自分の手に馴染むものを選ぶのが無難なようです。
小型のフクロウの飼い主さんで市販のものを使用している方もいるようです。爪切りはペットショップにあるような犬猫用のもので間に合いますが、使いやすさなども頭にいれて選びましょう。
フクロウは比較的おとなしい性格のものが多い反面、しつけることが大変な鳥です。また、種類によって価格や性格しつけ方にも違いが出てきます。ここではペットとして飼われている人気の種類について触れさせていただきます。
ペットで飼われているフクロウの種類
モリフクロウ
- 全長:36~45cm程度
- 体重:400~600g程度
いわゆる「フクロウ」的な見かけで、色はグレーまたはブラウン系 透き通った黒い目が特徴的。性格はおっとりしていて人懐っこい。但し繁殖期には攻撃的になることも。
メンフクロウ
- 全長:23~44cm程度
- 体重:200~400g程度
お面のようなハート型の顔が特徴的。環境適応力が高く、比較的飼いやすい性格。また繁殖力も高いのでショップにて比較的安価で入手出来ることも人気のようです。
シロフクロウ
- 全長:38~46cm程度
- 体重:700~2950g程度
飛翔能力が高く羽根が硬いのが特徴。夏の暑さには弱いので、温度計を購入して適切な温度ケアをしてあげる必要があります。
コキンメフクロウ
- 全長:21~23cm程度
- 体重:160~200g程度
丸い体が愛らしい。小柄な外見に似合わず活発的でケージ飼いでも見てて飽きないのが特徴。
但し攻撃的な面があるため、複数飼いの場合は個体同志が喧嘩しないようにケアしてあげる必要があります。
スピッツコノハズク
出典: LOVEはむワールド
- 全長:20~24cm程度
- 体重:90~160g程度
体が丈夫。猛禽類でありながら人懐っこい性格と小型であることなどから、飼いやすく実際に年々飼う人が増えつつある種類です。
フクロウは飼育するにあたって、「きちんと餌を与えられるか」「最後まで面倒を見ることが出来るか」という2点の確認が重要になってきます。
餌については前述のとおりのケアが必要となりますが、フクロウの寿命は小型のものでも10~15年、大型のものでは20~30年生きるものもいると言われているものもあります。
それ故に最後まで責任もって「面倒を見ることが出来るかというのは、かなり重要なファクターとなっております。
他の注意点として、鳥類独特の習性であるロスト(飛んでいって戻らなくなること)や専門の獣医師等が少ないので、何かあった時に相談できるアドバイサーを探しておくことも肝要となります。