ワニは最も大きな爬虫類です。その姿は威厳があり、まさに爬虫類の王様です。知能も高く、犬同様に人を見分けられるそうです。爬虫類好きの方にとっては「一度は飼ってみたい」存在です。
ただ実際に飼うとなると、手続きから始まり、なかなかハードルが高いペットです。その辺も含めて、ワニの飼い方をご紹介いたしますので、ぜひ参考にして下さい。
ワニはの種類は3科に分類
クロコダイル科
クロコダイル科は性格が獰猛かつ頭の良いワニで、人を襲う事があります。口を閉じた時下顎の第4歯が外から見えて口吻が長いです。
腹を地面に付けずにかなりのスピードで歩き、熱を感知する器官を持つので、温度の変化にとても敏感なのですね。アメリカワニ・キューバワニや体長7m・体重500㎏以上あるイリエワニ・ナイルワニが有名です。
アリゲーター科
出典:おれ☆せん!
アリゲーター科は性格が比較的温和で口は太短く丸みがあります。第4歯が外から見えず、腹を地面にくっつけて歩きます。感熱器が無いので、凍傷・火傷を患いやすいです。アメリカアリゲーターやメガネカイマンが有名ですね。
ガビアル科
出典:アットウィキ
最後にガビアル科です。細長い口が特徴的な、魚取り名人です。インドガビアルは、体長が4~6mになります。
ワニの特徴とは?
生態
頑丈な皮膚は分厚く汗をかけません。口を開けて口内水分を蒸発させて体温を下げ、体温調節をします。歯は50本あり、噛むためではなく獲物が離れないように押さえておくためにあります。
強く鋭い歯は交互に生えており、ナイフなみの切れ味で牙は何度も生えかわります。視力の良い目と鼻は頭の上に付いており、泳ぎながら呼吸し、水中では鼻・耳の穴が塞がります。
耳も良く、聞きとる事のできる音域はとても広いようです。親子間で声を使ってコミュニケーションをとり、子育てをすることが出来ますよ。また、大きな声で吠えて意志を伝達することも可能なのです。
尾の力は非常に強く、一撃で動物を撃ち殺す力があり、泳ぐ時にも大活躍。日光浴が大好きで、爬虫類にとってはとても重要な行動だそうです。
販売価格
爬虫類専門店や、ネットショップで買えます。
一般のペットショップでも以前は店頭販売されていましたが、現在は購入不可になりました。価格は最低でも数万円、種類により高いものは20万円以上します。
ペットとしてのワニの飼い方
準備:手続き編
ワニは危険動物ですので、都道府県知事の許可が必要です。手続きはとにかく複雑で大変なので、順をおって説明します。
- 保健所で詳しい手続きの説明を受けて下さい。
- 販売店で「生体販売証明書」と「ワニの写真」をもらいます。写真は自分で撮影可です。
- 動物保護管理センターに行き、「飼育許可の申請」の手続きをして下さい。
手続きには、手数料(16.000円~17.000円位)が掛かりますし、その他の書類も必要ですので、事前に調べて用意しましょう。 - 職員が家(飼育場所など)の確認に来ます。
- 連絡がきて許可が下りたら、「増減届」を提出して下さい。
- 「特定動物飼養・保管飼育証」と「特定動物の飼養または保管の許可を受けた事を示す座標」をもらいます。
- 「保管許可証」とケージ持参で、販売店に行きます。 購入時には、個体識別のためのマイクロチップを埋め込みます。
以上で、やっと念願のワニを手に入れることができます。
準備:おうち編
まずは、強化ガラス製の水槽を用意します。初期は、移動用に60㎝・飼育用に90㎝サイズの水槽が必要で、開口部には2重に鍵を設置します。
数万円で購入可能です。成長期になると、より大きな強化ガラス製か金網入りガラス製の水槽に変えましょう。厚さ15㎝以上の鉄筋コンクリート製の水槽や菱形金網のおりでも可能です。排水口や通気口を設置する時は必ず金網で覆って下さい。
出入り口には強度や耐久性に配慮した頑丈な二重戸が必須です。フィルターは熱帯魚用の水中パワーフィルター90㎝水槽用で良いでしょう。照明は爬虫類用蛍光灯とホットスポット用のレフ球を用意します。保温のために観賞魚用のヒーターも必要ですよ。
餌の与え方
ワニは本来、内臓や骨も含めた肉食(動物食)です。子供の時は冷凍マウスや鳥のささみで良いでしょう。成長したらニワトリやウサギを与えますが、すごい勢いで食いつきますので、十分な注意が必要です。
基本的には少食ですが、大きく成長すれば量が増えますので、経費も高額になってしまいますね。
病気と寿命
ワニは雑菌に強く、感染症になりにくいと言われています。以前、黄色脂肪症という疾患に罹患した症例が報告されましたが、原因はストレスのようです。
人間同様、ワニもストレスに弱いので、飼育時は配慮してあげて下さいね。寿命は、10年から種類によっては70年生きます。
80歳のご長寿ワニもいたそうですので、飼うにはそれなりの覚悟が必要ですね。ペットを飼う方にとって一番重要な事は、最後まで愛情を持って面倒をみてやれるかです。
飼育環境や経済的な問題もありますし、ペットの寿命も考慮しなくてはいけません。
ワニはとても長寿な動物です。飼い主さんが高年齢の場合は、引き継ぎもよく検討して下さい。
天寿を全うするまで責任を持って飼育する事が、ペットと飼い主の幸せに繋がると思います。どうか最後まで可愛がってあげて下さいね。