蛇のように長い首をもつナガクビガメ。特徴的な容姿と顔に一度見ると忘れられないほど魅力溢れるナガクビガメの飼育方法や特徴などをご紹介します。
ナガクビガメの特徴とは?
ナガクビガメとはタイプ属のことを指し、10種類ほどに分類されています。最大種でも30cm程度なのであまり大きい種類ではありません。
ペットとして人気が高いため乱獲により生息地の個体数は激減してしまいました。一部の地域で輸出が禁止されているため、現在は繁殖個体が流通しています。
販売価格と入手方法
価格は10万円を超えるものが多いようです。ただしジーベンロックナガクビガメは流通量が多いので1万円前後で購入することが出来ます。
一般的なペットショップではジーベンロックナガクビガメが販売されていることが多く、その他のナガクビガメは爬虫類専門店やイベントなどで稀に販売されることがあります。
対面販売が義務付けられていますので残念ながら通販の利用はできません。
寿命
寿命は10~30年と個体によりばらつきがあります。配合飼料や活餌をバランスよく与えて日光浴をさせるなど健康面に気を使うことで比較的長く飼育することができるでしょう。
展示場所
動物園や水族館など全国各地の施設で飼育されています。流通量も少なく販売店を見つけるまでに一苦労しますので、まずは実物を観察してからお迎えするかどうかをご検討ください。
ナガクビガメの種類
ナガクビガメは10種類ほど確認されており、国内で流通している主な種類をご紹介します。
コウホソナガクビガメ
出典:リミックス
ナガクビガメの中では最も大きく約40cmにまで成長します。
原産国のオーストラリアでは乱獲などにより生息数が減少したため輸出が禁止されています小さな川のほとりや沼に生息しておりアクアテラリウムで飼育されています。
オーストラリアナガクビガメ
出典:サウリナ守口店
名前の通りオーストラリアに分布するナガクビガメです。
体長は23cm程度と小柄で自己防衛機能として臭腺から臭いを発生させることができます。国内では繁殖個体が販売されており、飼育下においても繁殖を狙うことが出来ます。
マコードナガクビガメ
出典:爬虫類倶楽部仙台店ブログ
体長が20センチ前後の小柄なナガクビガメです。ナガクビガメの中では比較的首の長さが短い種類です。
動物食で人工飼料にも餌付くほど飼育しやすい反面、食用のため大量輸出がされたため個体数が激減し流通は少なくなっています。
カンナガクビガメ
出典:サウリナ守口店
日本ではほとんど流通していない珍しい種類です。オーストラリアに生息しており輸出が禁止されています。
ジーベンロックナガクビガメ
ナガクビガメの中では流通量が多く安価に入手できます。人工飼料や乾燥・冷凍飼料など何でも餌付くためとても飼育しやすいでしょう。ただし約30cmまで成長しますので大型ケージが必要になります。
ニューギニアナガクビガメ
出典:京都市動物園
マコードナガクビガメとよく間違われる本種はニューギニア島の固有種です。体長は22cmと小柄で魚や甲殻類を食べて生活をしています。現在はインドネシアに保護動物指定されているため国内流通個体は飼育下繁殖したものです。
ナガクビガメの飼い方
出典:アクアマイティー
飼育環境
小型種は60cm規格の水槽を使い、大型種は90cm以上の水槽を使用しましょう。アクアテラリウムを作るため十分に泳げる水量と甲羅干しできる程度の陸地を用意してください。
寒さに弱いので20℃以下にならないように配慮して35~40℃のホットスポットを作り温度勾配ができるようにすると良いでしょう。爬虫類用の紫外線ライトやホットスポットは陸地にレイアウトし、水場は水中ヒーターで水温管理をしましょう。
ナガクビガメは動物食のためケージ内が不衛生になりがちです。頻繁に水換えや排泄物処理をして清潔に保つようにしましょう。夏季は庭やベランダで日光浴をさせると調子よく飼育出ますが、日陰と日向の両方を自由に移動できるようにしてください。
餌の与え方
ナガクビガメの多くは魚類や甲殻類などの活餌を好んで食べます。配合飼料に餌付く場合は栄養バランスがすぐれているため配合飼料中心に与えると良いでしょう。
生肉も好んで食べますのでバランスよく色々な餌を与えることがベストです。
繁殖
出典:アクアマイティー
交尾後には卵を産み4~5ヶ月で孵化します。国内に流通している個体の多くは飼育下で繁殖した幼体なので、繁殖難易度はそれほど高くはないでしょう。
複数飼育
飼育環境が広い場合は複数飼育も可能なようですが、基本的には単独飼育又はペア飼育になるでしょう。異なる種類のカメとの同居は喧嘩が発生する可能性がありますので控えましょう。
飼う上で気を付けること
出典:サウリナ守口店
甲羅干しをしない個体には強制的にする必要があります。カメはサルモネラ菌に感染していますのでお世話や触れ合った後には必ず石鹸で手を洗ってください。
また小さなお子様がいるご家庭での飼育はあまりオススメできません。
まとめ
長い首を曲げて甲羅に隠れる愛らしいナガクビガメの姿に癒やされること間違いありません。一般的な水棲カメの飼育方法とほとんど同じなので初めてカメ飼育に挑戦する方にもオススメできる種類です。