リクガメの中でも美しさで人気のあるインドホシガメ。その美しさゆえ、生息地であるスリランカでは乱獲や密猟が後を絶たず、野生の個体を見られなくなっています。
そんなインドホシガメの飼い方、繁殖方法、飼育に必要なもの、特徴など紹介します。
インドホシガメとは?特徴は?
インドホシガメは黒っぽい甲羅にクリーム色~黄褐色のラインが放射状に入っています。成長するにつれ甲羅は一つ一つが盛り上がり突起状になります。
一般的に、リクガメの甲羅が突起状になるとタンパク質の過剰摂取やビタミン群の欠乏、カルシウム不足などと言われていますが、インドホシガメの場合は異常ではなくホシガメ特有のものです。
大きさ
体長は、メスであれば30~40cmとも言われていますが、オスは20cmにならない個体が多いようです。
野生のインドホシガメは熱帯雨林に生息しているので高温多湿を好みます。
販売価格
出典:logger店主ブログ
大型のペットショップや、爬虫類専門ショップで購入できます。近くにそういうお店がない場合は通信販売もありますが、生体なので途中で体調不良になったりすることも考えられます。
極力、目で見て、手に取って、元気であるか、ずっしりとした感じがあるかなど健康状態を確認して購入されるのがいいと思います。
価格は、ラインの入り方の違いにもよりますが5~6cmほどのベビーと言われる個体で2~3万円、8cmを超えるもので3~4万円くらいになります。もちろん、もっと安くで販売しているところもありますし、もっと高価なホシガメもいます。
インドホシガメの飼育に必要なもの
インドホシガメを購入する前に、まずは環境を整えておきましょう。
爬虫類専用ケージ
水槽でも問題はないのですが、床材を換えたり掃除をする時などは、前開きができる爬虫類専用のものが簡単です。
大きさは、ホシガメが小さい時は60cm幅のものでも問題はありませんが、個体が大きくなった時に大きいサイズのものに買い替えるのはもったいないと思われるなら、初めから90cmサイズのものがいいかもしれません。
高さは、ライトの照射なども考えるとあまり深型でないほうがいいようです。
床材
ホシガメの飼育に一般的に使われているのはヤシガラが多いです。
インドホシガメは高湿度を好むので、水分を含むことのできるものがおすすめです。
紫外線ライト
太陽光の代わりです。20W以上のものを選びましょう。
保温球
寒さには弱いので保温球が必要です。夏場は50Wくらいでもいいかもしれませんが、冬場は100Wあったほうがいいです。球が切れると大変なので、予備を買っておきます。
バスキングライト(スポットライト)
照射角度が狭く、ホットスポットが作れます。
シートヒーター
下からも保温したほうがいいです。水がこぼれても大丈夫なもの(爬虫類専用のもの)がいいです。
水受け皿
大きさは体がすっぽり入るくらいで深くないもの。水浴びで入ったときにおぼれないように浅めがいいです。
温湿度計
出典:http://cemeney.com/ondo.html
温度・湿度の管理が重要になりますので必要です。
爬虫類用サーモスタット
インドホシガメの飼育は、1年を通して適温にしておく必要があり、サーモスタットがないとこれを維持していくのは難しいです。
シェルター
カメが隠れてゆっくり寝たい時など入っていきます。
エサ入れ
リクガメフードを与える時は、水でふやかしたりするので浅めでどっしりしているもの。
インドホシガメの飼育方法
出典:爬虫類倶楽部仙台店ブログ
飼育環境
ホシガメの飼育は『環境第一!』と言っても過言ではありません。
ケージ内の温度は28~32度(ベビーの時は30度前後)、湿度は70~80%と、人間にとっては蒸し暑い感じがインドホシガメにとっては最高の環境です。
保温球で最適気温にして、紫外線ライトで太陽の光を浴びるのと同じように1日8~12時間程度照射します。床材の下にシートヒーターを敷いて下からも温めます。
温度を28~32度に保つだけならバスキングライト(スポットライト)はいらないのではないか…と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、リクガメが食後にエサを消化するためには体温を上げる必要があります。
体温をあげるため、暖かい場所を探すので、バスキングライトは必要なのです。床材は湿っているくらいがいいのですが、乾燥している場所も作っておきます。
餌の与え方
エサは、草食なので野菜や野草中心で、栄養が足りなかったり食欲不振の時などにリクガメフードで補うようにします。野菜でもほうれん草はアクが強いので避けた方がいいです。観葉植物も毒性が強いものが多いので与えないでください。
リクガメフードや、野菜(小松菜、大根の葉、ニンジン、サツマイモ)・野草(タンポポ、オオバコ、クローバー)など。リクガメを診てくれる獣医さんを見つけておくことが大事です。いざとなった時に探してもなかなかみつからないことがあります。
繁殖
飼ったからには子供(卵)を産ませたい!と思われる方も多いでしょう。「育てるのさえ難しいのに繁殖なんて無理だろう。」と思われている方も少なくありません。
しかし、日本の一般家庭でも、飼育環境を整えているところでは卵のふ化も記録されています。成熟期は、野生のオスは8歳~、メスは7歳~、飼育されているものはオスが5歳くらい~と言われています。
適齢期までペアで育てて、子ガメが産まれた時の感動はひとしおでしょうね。
まとめ
リクガメの中でも飼育が比較的難しいとされているホシガメですが、環境が整っていればすくすくと成長します。前述のように繁殖も可能です。
呼んでもこないと思われがちですが、エサが欲しくなったら近づいてきますし、つぶらな瞳がたまらなくかわいく感じます。美しさと可愛さを兼ね備えたリクガメ=ホシガメです。