ペットといえば、犬、猫、小動物、だけだと思っていませんか?けれどもこれらの動物を飼うには、飼育の場所を用意したり、鳴き声を気にしたり……また魚の場合、水槽の他にヒーターとポンプを用意し、濾過装置を用意し……準備が面倒で「やっぱいいや」となった事、ありません?
そんなあなたにオススメなイモリ。イモリは水槽さえあればとりあえずは飼えちゃいます。一緒に居れば居るほど発見が多く魅力的になってくる生き物です。初心者でも飼いやすいイモリの種類と飼い方の注意をまとめてみました。
イモリってどんな動物?
ヤモリとイモリ。パッと見てすぐに違いが分かる人はそう多くはないでしょう。どちらもトカゲによく似た姿をしていますが、ヤモリは漢字で書くと「屋守」、陸で暮らすは虫類です。一方でイモリは漢字で書くと「井守」水辺に暮らす両生類です。
カエルと同じ分類で、卵から孵るとしばらくは水の中で暮らし、大人になると陸に上がってきます。陸に上がるといっても乾燥に弱いので、自然と水辺の近くに住むようになります。
「井守」の字も、井戸に住み着き害虫を食べるところから名付けられたと言われています。大きくなっても全長15cm程度と小柄な為、場所も取らず最期まで飼いやすい動物の一種でしょう。
イモリの飼育の際に注意すること
イモリは付き合えば付き合うほど魅力の深まる生き物ですが、飼い始める前に押さえておきたい注意点がいくつかあります。
逃亡注意
イモリの前足は吸盤になっていて、壁などのツルリとした所を登る事ができます。つまり、水槽は高さがあっても関係ありません。奴らは大人しそうな顔でしれっと逃亡を図ります。
イモリは水からしばらく離れると乾燥して死んでしまうので、空気穴付きの蓋を用意するなど逃亡対策はしっかりしましょう。
夏は水温注意
イモリはカエルと同じ両生類。つまり水が近くになければ生きていけません。また自分で体温調節をせず、外部の温度変化に任せる変温動物なので、夏は気温水温に合わせて体温が上がりがち。
あまりに熱いと茹だって死んでしまうので、夏場でも直射日光を避けるなど、あまり熱くならない場所での飼育を心がけましょう。温度変化の小さなところでイモリに限った事ではありませんが、小動物は温度変化に敏感です。
夏は暑すぎず、冬は寒すぎず、年間を通して温度変化の小さな場所で飼育するようにしましょう。
寿命に注意
両生類なんだから2〜3年で死んじゃうんでしょ?いやいや、そんなことはありません。飼育下のイモリは10年くらい生きます。
思いの外頑丈で病気もしにくいところも飼いやすさの1つですが、「どうせすぐ死ぬし」と考えて飼い始めるとあっという間に「こんなハズではなかったのに……」と後悔する事になります。
飼う前に、どれくらい生きるものなのかは必ず確認しましょう。飼いきれないからって捨てるのダメ!ゼッタイ!!先述したように、イモリは同じ大きさのほ乳類と比べて遥かに長生きです。イモリは大人になっても15cm程度。
このサイズであれば、大きくなり過ぎて飼いきれなくなった、という事はないでしょうが、「飽き」や「引越し」「子どもの成長」などを理由に家の外に逃がす事は絶対に止めて下さい。
今回ご紹介するイモリには外国に住むイモリだっています。国内産のイモリでも採取地以外で逃がせば遺伝子汚染を引き起こします。この遺伝子汚染は環境破壊の1つ。目に見えない形でジワジワと進行していきます。
イモリといえど生き物です。他の動物を飼う時と同じ覚悟で、死ぬその時まで責任を持って飼って下さい。
イモリの飼いやすいおすすめの種類
ではいよいよ、初心者にも飼いやすいイモリを紹介していきましょう。
【日本産イモリ】
アカハライモリ
出典:アンフォトグラマシオン
特徴
和名の元となった赤い腹が何と言っても1番の特徴でしょう。日本で1番よく見られるイモリで、ニホンイモリの別名も持っています。
入手方法
アカハライモリであれば、ペットショップで買ってよし、地元で採取してよしと、最も手に入れやすいイモリといえるでしょう。注意点を挙げるのであれば、ペットショップで買う場合は弱っている個体を避けること。自分で捕まえるのなら、飼育する数だけ捕まえることです。
体長
10cm前後
餌
アカムシ、イトミミズ、昆虫、小動物
販売価格
200円程度〜
シリケンイモリ
出典:今帰仁城跡周辺の自然
特徴
日本固有イモリでアマミシリケンイモリとオキナワシリケンイモリがいます。アカハライモリと比べると大き目ですが、暑さにも比較的強いのでアカハライモリ以上に初心者向けといえます。
入手方法
シリケンイモリは棲息地が限られている為、自分で捕まえるのは難しいでしょう。両生類を扱っているショップでの購入が基本となります。
体長
10〜15cm程度
餌
アカムシ、イトミミズ、虫など。亀の餌も食べます。
販売価格
1000円程度〜
【外国産】
コイチョウハナダイモリ
出典:Tosh’s ~ 我家の生き物日記 ~
特徴
中国原産で日本のアカハライモリの近縁種です。ハナダ(縹)とは色の名前で水色っぽい色のこと。繁殖期になるとオスの尾に綺麗な縹色が出る事から名付けられました。アカハライモリの近縁種だけあって初心者向け。
入手方法
ショップ購入のみ。現地で採取しても空港や港でストップが掛かります。
体長
8.5〜12cm程度。アカハライモリと同じくらい。
餌
アカムシ、イトミミズ、虫など。アカハライモリの餌が参考になります。
販売価格
1500円程度〜