山の守り神として親しまれてきたヤマネ。ふわふわと心地良い触り心地の小さなヤマネはペットとしても多くの人びとに愛されてきました。可愛らしいげっ歯類のアイドル”ヤマネ”の飼育方法や値段、生息地などお迎えする前に知っておくべきことをまとめました。
ヤマネの特徴とは?
国内ではニホンヤマネという種類が生息していますが、森林伐採や都市化が進み生息地が年々減少しているため天然記念物に指定されていて飼育することはできません。
主にペット用に流通しているのはアフリカヤマネという種類です。体長は7cm前後で飼育下繁殖も簡単なので初心者でも安心してお迎えできます。非常に臆病な性格のため幼体のときから可愛がるとしっかりと慣れてくれるでしょう。
生息地
アフリカヤマネは温暖な地域に広く生息しています。樹上で生活を営むため木々の生い茂る森林を好みます。跳躍力にも優れており枝から枝へ飛び移ることもできるようです。
ヤマネの魅力とは?
何といっても可愛らしい見た目で飼育しやすいところでしょう。大きくならないのでマンションでも飼育できますし初期費用も安いので初めてペット飼育に挑戦する方にもってこいの動物です。
根気よくお世話をしていて慣れてくれたときの喜びは何事にも代えがたいものです。ツンデレという言葉がぴったりです。
寿命
飼育下での寿命は約5年です。ハムスターと同じくらいの大きさの割に寿命が長く満足度の高いペットといえます。
栄養バランスを考えた食事と定期的な検診で病気を予防することが大切になります。基本的に小さな個体は一度体調を崩すと大変なので、毎日しっかりと観察しましょう。
初期費用と維持費用
アフリカヤマネの価格は約1万円で取引されています。ケージや給水器などハムスターやリスとほとんど同じもので飼育できますので、初期費用は約2万円で、飼育グッズを揃えることができるでしょう。
維持費用は床材とパネルヒーター、エサ代合わせても月々5000円以内で飼育できます。お迎え前に4~5万円用意しておくと良いでしょう。
ヤマネのペットとしての飼い方
飼育環境
活発に動き回るので高さのある大きめのケージを使用します。アフリカヤマネは夜行性なので照明器具はケージに付けません。
5℃以下になると冬眠してしまうので、冬季は25℃前後に保温する必要があります。給水ボトルはウサギやハリネズミに使用するもので問題ありません。
浄水器や天然水は長期保存ができないので、毎日の水換えが難しい場合は水道水を活用しましょう。床材は排泄物を処理しやすいものを選ぶと毎日のお世話が楽になります。
砂系は誤って飲み込んでしまうこともあるので、ひのきチップや牧草、ペットシーツがオススメです。臆病なアフリカヤマネは隠れ家になる小動物用のハウスを入れてあげるとストレスの緩和につながります。
運動不足の対策に回し車を入れると夜間に走ってくれるかもしれません。30℃を超えると熱中症になりかねないので、特に夏季は風通しの良い涼しい場所で飼育するかクーラーで温度調節をしましょう。
餌の与え方
食性は雑食で小動物に与える配合飼料で飼育します。おやつに生餌のミルワームを与えると大変喜びます。栄養価の高い配合飼料のみでも終生飼育は可能ですが、やはり新鮮な果物や生きた昆虫の方が与えられると嬉しいでしょう。
コオロギなど跳躍力のある昆虫は後ろ脚を取り除いてから与えると怪我を防止できます。ハムスターよりも肉食性が強いようです。
ヤマネとのコミュニケーション
ヤマネは成体でお迎えすると非常に慣れにくい生き物です。昼間は寝ていて夜間に活動するので、お世話をするときも夜のほうがいいでしょう。
回し車などで遊んでいても人がケージに近づくと隠れてしまうことが多いようです。しかし根気よく手から餌を与えていると打ち解けてくれるときが来るはずです。
生まれて間もないヤマネをお迎えできれば比較的簡単に慣れてくれると思います。ただし犬や猫のような飼い主を判別するほど知能は高くないようなので、懐くことはありません。
繁殖
ペアで飼育していると次々と出産をしてくれるほど簡単に繁殖が狙えます。性格は温厚なので複数飼育をしていると自然と増えていくことでしょう。
子どもたちには食べやすいように潰したミルワームや柔らかい果物を与えると食べてくれます。
病気の時
ヤマネは小動物の割に長生きをします。ときには体調を崩したり病気になってしまうこともあるでしょう。そんなときはエキゾチックアニマル対応の動物病院で受診します。
多くの動物病院は犬や猫しか診てくれないところが多いので、事前にチェックしておきましょう。
まとめ
国内では年々生息数が減少してほとんど見かけることがなくなってしまったヤマネ。現在はアフリカヤマネをはじめ外国産の数種類が流通しています。
愛くるしい姿のヤマネは様々なテレビやゲーム、歌に登場して人々に愛されてきました。価格も安く手軽に飼育を始められるのでぜひお迎えしてみてはいかがでしょうか。