ふわふわの毛に覆われて大きな尻尾が可愛らしいタイワンリス。ニホンリスよりも大型の本種は日本でもよく見かける身近なリスと言えます。タイワンリスについてお迎えする前に知っておくべきことをご紹介したいと思います。
タイワンリスの特徴とは?
出典:Wikipedia
胴体と尻尾を合わせて40cm前後の割りと大きなタイワンリスは台湾原産のクリハラリスです。幼体は集団行動をしますが成体になると単独行動を好みます。
主に公園や神社など広葉樹林に生息しており昼間に種子や葉っぱなど植物性の食べ物を探して過ごしています。
その名の通り元々は台湾に生息するリスなのですが、観光用に放されて以来全国で個体数を増やしていきました。現在では在来種のニホンリスの生息数を超えて日本で最も多く生息するリスと推測されています。
特定外来生物に指定
ニホンリスをはじめ様々な在来生物の生息環境を脅かす要因になることから2005年に特定外来生物に指定されました。
特定外来生物は在来種の生態系を脅かし人の生活の妨げとなる外来生物の被害を防ぐために設けられた日本の法律で基本的に飼育や繁殖、運搬などが規制されてしまいます。
そのためタイワンリスも飼育や売買が禁止されているのですが観光目的で放し飼いにされている個体など少なからず飼育している組織がいます。許可のない飼育は罰則の対象となってしまいますのでご注意ください。
寿命
出典:じいじのサンデー毎日
現在は野生の個体のみ生息しているため飼育下における寿命は不明ですが、自然下だと約5年です。
野生のタイワンリスは猛禽類や爬虫類、その他肉食性の野生動物に襲われることが多いので、飼育下ですともう少し長く生きるかもしれません。繁殖可能になるまでに1年ほどを要します。
販売価格
タイワンリスは国内での取引が規制されているので原則販売はしていません。
仮に販売がされているとしても法律違反か他種の誤表記なので購入することはお勧めしません。飼育するならば規制のされていない海外で飼育することになるでしょう。
初期費用と維持費用
国内でタイワンリスの取引は規制されているので値段はつけられません。飼育用品は約2~3万円、エサ代が月々2000円ほどかかります。
国により役所に登録しなければいけなかったり、ワクチン接種が必須の場合があるので飼育される国のルールを調べましょう。
タイワンリスの飼い方
出典:動物研究部
樹上で高い運動量を誇るタイワンリスはリス用のケージに枝木をレイアウトして飼育します。一般的に売られているシマリス用のケージでも良いですが、少し余裕のある大型ケージを使用すると良いでしょう。
げっ歯類はケージの隙間を齧ることがありますので、錆びにくい丈夫なケージを選びます。水分補給にはモルモットやウサギに利用されるウォーターボトルを活用します。
毎日欠かさず水換えができる方は天然水を与えてもいいですが、基本的にはカルキが少し含まれている水道水を利用して雑菌の繁殖を予防しましょう。
冬季の保温は基本的に必要ありませんが、ペット用のパネルヒーターを一部分に設置して温度勾配を作ってあげると快適なようです。運動不足に回し車を設置すると遊ぶかもしれません。床材はペットシーツやひのきチップなどシマリス飼育に利用されるもので問題ありません。
餌の与え方
広葉樹の木の実や葉っぱ、フルーツなど植物性の食べ物の他にコオロギや鳥の卵など動物性の食べ物も摂取する雑食性です。
禁止されていますが仮に飼育するならば野菜やジャイアントミルワームなど市販の餌を与えます。芽の出たジャガイモや玉ねぎなど犬猫が食べてはいけないものは与えないようにしましょう。
トイレのしつけ
出典:金沢区・長浜公園の四季
個体によっては排泄場所にこだわりをもつ者もいるかもしれませんが、トイレは覚えないと考えておきましょう。
排泄処理のし易さからペットシーツを活用しても良いかもしれません。
タイワンリスは人に懐くのか?
タイワンリスをはじめリスたちは慣れることはあっても懐くことはありません。給餌の合図と勘違いして飼い主に近づいてくる個体もいますが、顔や臭いを判別して飼い主だと認識することは難しいでしょう。
また臆病な性格なので慣れるまでもかなりの時間を要します。
飼育上で気を付けること
タイワンリスは立体的な動きを見せるため意外にもジャンプ力が高く脱走されないように注意しましょう。公園に棲むタイワンリスは肉食性であるので細菌類や病気に感染している可能性があるため、むやみに触るのは避けましょう。
飼育の際は発声器官を持っているので、鳴き声による近隣住民とのトラブルには気をつけましょう。
まとめ
タイワンリスは日本の環境に適応して個体数が爆発的に増えてしまった結果特定外来生物に指定されてしまいました。可愛い見た目でペットとしても十分に魅力の溢れる動物ですが、残念ながら日本では飼育することはできません。
しかし、シマリスをはじめその他の種類は飼育が可能なので、タイワンリスが気になった方は是非チェックしてみてください。