見た目は良く見かけるニホンアマガエルのようですが、飼育が比較的簡単で寿命が長く、人にもなつきやすいということで、世界中で地味に人気の出てきたイエアメガエルの飼い方について。
イエアメガエルの特徴
出典:サウリナ守口店
イエアメガエルはアマガエルの仲間ですが、その中でも体長が10cm位と大型の種類になります。
成長していくにつれ目つきが変わり、太って皮膚が弛み可愛らしい体つきになります。老齢個体になると顔の皮膚にも弛みが生じますので、そんな様子を楽しむのも良いかも知れません。
一般的には黄緑色の体色ですが、体色が青み掛かっているブルーと呼ばれるものや、一般的なものに比べて緑色が鮮やかで白いスポットがはいったスノーフレークと呼ばれる種類などがいます。
イエアメガエルの飼育に必要なもの
出典:NUANCEブログ
飼育用プラケースや水槽(必ず蓋つきで)
アマガエル等と同じく樹上で生活する「ツリーフロッグ」と呼ばれる種類になりますので、登れるような枝等を置く環境が必要となります。
そのため、あまり狭い飼育ケースだとカエルにストレスを与えてしまいますので、なるべく高さのある飼育ケースを選びましょう。
飼育ケースの蓋は挟まれて圧死するといった事故を防ぐ理由から、スライド式ではなく上下に開閉するものがよいでしょう。しっかり蓋が出来ることもポイントになります。
床材
腐葉土、ヤシガラ、赤玉土などの用土からキッチンペーパーまでいろいろな物が床材として利用可能です。
園芸用土を床材として利用する場合は、カエルにとって有害な農薬や添加物などが入っていないかの確認をしましょう。ある程度の保湿性は必要ですが、水苔のようにウェットな床材のみの使用は不向きなようです。
水入れ
樹上で生活するカエルなので、あまり多くなく溺れない程度になるような浅目の容器を用意してあげましょう。出入りのしやすい高さであるかもポイントの一つです。
観葉植物
飼育ケース内で自然環境を再現して飼育をする場合は不可欠となります。観葉植物を入れて飼育する場合は、飼育ケースの高さもある程度は必要となりますので、その場合は全体のバランス等も考慮しましょう。
温度湿度計
ペットショップなどで販売しているビバリウム用のものが適しているようです。環境維持の目安となるものですので、自分自身で確認し使いやすいと思ったものを選ぶようにしましょう。
シェルター(隠れ家)
人間の飼育下では安全なので不要かも知れませんが、あれば落ち着くと思われますので、
必要に応じて。
照明
直射日光には当てないようにしましょう。イエアメガエルそのものに日光浴をする習慣はありませんが、規則正しい生活リズムを送らせることや観葉植物を使用している場合においての植物の生育などにおいて必要となる場合があります。
タイマーなどで決まった時間にオンオフ出来るように設置をすると便利です。
ペットとしてのイエアメガエルの飼い方
出典:chinonet.com
餌の与え方
肉食性で、基本的には生きた昆虫類など捕食しています。飼育下での主な餌はコオロギやミルワーム、ハエなどになります。
週3~4回の給餌で、1回あたりの給餌量はコオロギなら1匹程度、ハエなら3~4匹程度が目安となります。糞を確認したら与えるというサイクルでもいいかも知れません。
冷凍マウスや人工飼料を与える場合、あくまで副食として考えた方がいいようです。また、カルシウムやビタミンなどの栄養剤で調整してあげるのもいいでしょう。
屋外で採取した昆虫類を与える場合は、捕獲する場所の環境条件(農薬散布の有無や排気ガスの影響等)を必ず確認しましょう。与えすぎにも注意が必要です。
飼育上の注意点
イエアメガエルは飼育環境に応じて体色が変わるという特徴があります。止まり木など暗めの色が多い飼育ケース内では茶色い体色に、また観葉植物が多い飼育ケース内では緑色の体色にそれぞれ変化します。
元々の色を楽しむのか体色の変化を楽しむのか等、ショップの店員さんのアドバイスを聞きながら、床材などのレイアウトを考えるのも飼い方を楽しむ方法のひとつと言えるでしょう。
イエアメガルも長生きする生き物です。寿命は概ね15年位ですが、人工飼育下で23年間生きたという記録もあるようです。飼育する前に最後まで面倒を見ることが出来るか、自身の生活環境等を踏まえて考えてみましょう。
温度ですが、昼間は25~30℃、夜は20~24℃とやや低温に設定します。もともとアジアの温暖な地域を生息地としていますので、温度管理は重要となります。
冬眠をする種類ではないので、日中の気温が25~30℃にならない場合は、パネルヒーターなどで飼育ケース内を調整して気温管理をしましょう。
湿度は70%くらいが目安となります。最初のうちは、湿度計で確認しながら霧吹き等を使用して飼育ケース内の湿度を適正なものに整えるようにしてあげましょう。
水入れは2日に1回は変えるようにしましょう。見た目は汚れていなくても、その中に尿などが混ざっている場合、カエルが自家中毒になることがあります。
また、水入れ用の水は蒸留水または、水道水を使う場合はカルキ抜きを使用したものや汲み置きしたものを使うようにしましょう。
観葉植物を入れた場合、カエルの糞や尿などで枯れてしまう場合があります。糞や尿が掛かった場合は拭き取り、枯れてしまった場合は新しいものと交換する等、こまめなケアを心がけましょう。
なつくと手乗りになることもある種類とはいえ、カエルにとって人間の体温はかなり高温となります。頻度の多い接触や長時間の接触は避けるようにしましょう。
また、カエルを触った後のそのままの手で粘膜などに触ると危険ですので、カエルを触った後は必ず手を洗うよう心がけましょう。