ここ数年の間でペットとして人気が上昇しているのがカワウソという動物です。SNSなどで人気を博しその可愛らしい姿にメロメロになる人が急増。
そんなカワウソの生態やペットとしての飼い方などについて詳しくご紹介致しましょう。
ペットとしてのカワウソについて
カワウソとはネコ目イタチ科カワウソ亜科の哺乳類動物です。カワウソ亜科には、ニホンカワウソやラッコなどがいます。
ラッコなどと同じように泳ぐことが得意で水中での生活に適しているのが特徴です。ですがラッコと違う点は、カワウソは陸上でも自由に動き回ることが出来るという点です。
そして日本に生息しているニホンカワウソは長年の生息確認調査などの結果から、残念な事に2012年に絶滅種に指定されてしまいました。そのため、日本には2017年現在では野生のカワウソは存在しないということになっています。
しかし2017年2月に長崎の対馬で撮影された映像で、野生のカワウソらしき姿が映っている事は判明し話題となりました。もしもこの映像に映っているカワウソがニホンカワウソであれば絶滅したとされるニホンカワウソがまだ生きていたという事になり、現在ニホンカワウソかどうか調査が進められているようです。
ペットとして飼われているカワウソ
日本でペットとして飼われているカワウソは、「コツメカワウソ」という種類のカワウソがほとんどです。爪が小さいため、爪による怪我をする事も少ないためペットとして飼いやすい種類のようです。
コツメカワウソはカワウソの種類の中でも最も小さな種類で、全長で約40cm~65cmほど。体重は平均で3kg~6kgほどで猫や小型犬ぐらいの重さといえるでしょう。
カワウソの生態
カワウソは東南アジア諸国や中国南部などの川や湖、沼地や湿地帯などで生息しており、主に水辺の近くで生活をしています。
体の毛色は灰褐色や薄黒褐色で、頬から首周りにかけて灰白色や白色の毛で覆われています。そして長い尻尾は水中の中でバランスをとったり推進力をつけるのにとても役立ち、尻尾だけで約30cmほどの長さがあります。
そんなカワウソは水中では鼻孔や耳孔などを閉じることができるため、8分ほど潜っていることができるそうです。そして野生では群れで生活をしているため社会性が高く、特にオスとメスのつがい結びが強く家族思いな面もあります。
性格
カワウソはとても活発な動物で1日中活動することはできますが、基本的には早朝~夕方までの明るい時間帯に活動することが多いです。
そして人懐っこく甘えん坊な一面もあり、人にも慣れやすいとされています。遊ぶことが大好きで野生では狩り以外でも泳いだり斜面を上り下りしたりして遊ぶこともあるようです。
また、声でのコミュニケーションも発達しているため「ピィピィ」といった小鳥のような鳴き声も聞く事ができます。そしてトイレや簡単な小さな芸なども覚える事ができるため、そういった点からもペットとしての需要も高まっているようですね。
販売価格
カワウソは一般的なペットショップでは扱っていません。専門ショップなどで購入することができ、価格は最低60万~といったところです。
高いもので100万円近くする事もあります。人工繁殖が難しい事などから希少価格が高く、当面の間は価格が下がることはないとも言われています。
寿命
カワウソの寿命は約10年~15年ほどです。
飼育環境や与えるご飯などで体調の変化により寿命も変わってきますので、大事に育ててあげてください。
ペットとしてのカワウソの飼育に必要な物
ただ可愛いだけではペットを飼うことはできません。きちんと生態や飼育方法を理解してお迎えする準備を整えましょう。まずはカワウソを迎える前に必要な物を揃えましょう。
ケージを用意する
カワウソは好奇心旺盛で活発なので、留守の間や生活の軸となるケージを用意します。犬や猫とは違い非常に野生に近いペットになるので、飼育環境は野生の時に近づけるのが一番です。
大きさは犬用や猫用などの広めの物を用意してください。狭い物だとストレスの原因となってしまいます。ケージの中には高さ30cm~40cmほどの巣箱も用意してあげると良いでしょう。
巣箱が濡れるのを嫌がりますので、巣箱の中には乾いた干草や布などを入れてあげるといいです。
トイレを用意する
カワウソは比較的賢いため、きちんと教えればトイレも覚える事ができます。ケージの中にトイレを設置したり、ペットシーツをケージの下に敷いたりしてください。
詳しくはペットショップの方と相談して決めるのが良いでしょう。
水浴び用の容器を用意する
カワウソは毎日水浴びをしないとストレスが溜まってしまいます。水浴びができる家庭用プールまたは浴槽などで水浴びを毎日させてください。
おもちゃを用意する
カワウソは遊ぶことが大好きです。youtubeなどにアップロードされている動画では、人間の赤ちゃんのように遊ぶ姿がとても可愛らしく映っています。
ボールや知育玩具などで遊ぶため、色々なおもちゃを用意してあげてください。
ご飯を用意する
カワウソのご飯は水辺に生息している魚や昆虫、カニやエビや貝類などを主に食べます。そのため市販されているキャットフードやフェレットフードをメインに、魚や貝類などの魚介類を混ぜてバランスよく与えてください。
ペットとしてのカワウソの飼育方法
カワウソを迎える準備が出来たら、次はカワウソの飼育方法を学んでいきましょう。大変そうと思われがちですが、犬や猫とそんなに変わらないようです。
いつも清潔にしておきましょう
カワウソは綺麗好きです。ケージの中やトイレが汚れているとストレスを感じてしまうので、いつも綺麗な状態にしておきましょう。
冬は暖かくしておきましょう
カワウソは暖かい地域に生息しているため、冬などの寒さには弱い動物です。冬の寒さを凌げるように暖かくしておきましょう。
餌の与え方
カワウソの1日の食事量は1日300g~600g程度を目安に与えてあげましょう。魚やカニなどの骨も砕いて食べることができますので、骨もそのまま与えて問題ありません。
ペットとしてカワウソを飼育する上での注意点
言葉の通じない動物を飼う上では気をつけておきたい点は必ずあります。カワウソも同様に、飼育する上で気をつけてほしい点がありますので確認してみましょう。
寄生虫に注意
カワウソの食事として与える生魚や貝類などに寄生虫が潜んでいる可能性があります。
寄生虫が潜んでいる物を与えると体調を崩してしまいますので、一度冷凍などをして寄生虫を殺してから与えてください。
ストレスに注意
カワウソはストレスに弱い動物です。ケージが狭い、遊ぶ時間が少ない、水浴びが不足しているなどの原因によりストレスで食欲不振に陥ることもありますので、注意が必要です。
診てくれる動物病院を予め探しておきましょう
カワウソを診察してくれる動物病院はとても少ないです。いざという時にどこの動物病院も診てくれないとなると大変ですので、飼育する前からカワウソを診てくれる動物病院を探しておきましょう。
多頭飼いがおすすめ
カワウソは群れで生活をする動物ですので、1匹だけだと寂しさやストレスを感じてしまいます。
そのため出来れば2匹以上の多頭飼いをおすすめします。
金銭的余裕が必要
カワウソを飼育する上で重要なのが、金銭的な面での余裕です。診てもらえる動物病院も少なくどの病気の治療にいくらかかるのかも分かりません。
そして毎日の水浴びで浴槽やプールに水を張るため、月々の水道代も掛かります。多頭飼いをするのであれば、費用も倍掛かります。そういった点で、金銭的な余裕が無ければ飼育が難しいともいえるかもしれません。
まとめ
SNSなどでカワウソを飼っている方をよく見かけますが、やはり価格や金銭的な面で少しハードルの高い動物のように感じます。飼育方法については比較的難しいところはなく、初心者でも飼うことができそうですね。
金銭的に今は無理だ~という方は動画を見たり水族館に足を運んで、いつか飼える日が来るまで我慢しておきましょう。以上、知れば知るほど好きになるカワウソのご紹介でした。これを機に、水族館などに足を運んでみてくださいね。