小さいお顔に、クリッとした大きな目、特徴的な大きな耳、そしてお口とお鼻がとんがっているのもまた可愛さを引き立てているフェネック。動物園の柵越しではなく、一緒に暮らすことができる可愛いキツネです。
出典:pepy
フェネックの特徴とは?
出典:有限会社プラスト
- 目属性:ネコ目 イヌ科 キツネ属
- 種:フェネックギツネ
- 生息地:砂漠。沿岸部を除く北アフリカやアラビア半島
- 体長:約40cm
- 体重:2kg
- 寿命:約10年
イヌ科なのにキツネ属、不思議な生態の動物です。フェネックは臆病者の神経質でとっても警戒心の強い動物です。ベビーからお世話をしても慣れるまでは1年ほどかかると言われています。犬猫に比べるとまだまだ野生が残っていて、また飼育環境も確立されていません。
あまり人間になつかず威嚇され噛み付いてくることもあります。身体には砂色をしたフサフサの毛が生え、暑い砂漠に住んでいるのに毛が沢山!さぞや暑いだろうと思ってしまいますがフェネックには暑さをしのぐ工夫がいっぱいです。
フサフサの毛は太陽からの熱を通しにくく、逆に逃がしにくくなっています。寒暖の差が大きい砂漠に適しています。足の裏にもたくさんの毛が生えているのですが、熱く焼けた砂の上でも動けるようになっています。
そして大きな耳は獲物の音を聞きとるだけではなく、体の熱を放出する役目も担っています。
過酷な砂漠で生きていけるように小さい身体にたくさんの役目があり、なるほどと思いますが、日本のような湿度の多いところは苦手なので湿度管理も大切です。
販売価格
尻尾を振ったり、お腹を見せて甘えたり、遠吠えしたり、イヌとネコの合いの子のような仕草で癒されること間違いなしです。
一緒に暮らすにはいろいろな問題がありますのでしっかり準備をしてから迎えてあげてください。販売価格はペットショップで100万前後、ブリーダーで70万ぐらいが相場になっています。
生態
野生下では敵から身を隠すためと暑さや寒さをしのぐのに数メートルの巣穴を掘って生活しています。跳躍力にも長けていて上に60センチぐらい、横に100センチぐらいのジャンプ力があるようです。庭などで飼育しようとしても穴を掘って脱走してしまう可能性もあります。
小さいのに運動量が多いので室内での放し飼いにすることが多いと思いますが、目を離すとき、留守番させるときはゲージに入れるようにしましょう。ゲージは底が網目の物の方が排泄物の処理がしやすいかと思います。自分の排泄物を踏んだり遊んでしまうことを防げます。
フェネックは夜行性ですので昼間はだいたい寝ているようです。なので夜になると暴れまわり騒がしくなるようです。穴を掘るような「ホリホリ」音や甲高い鳴き声、集合住宅では気をつけないといけません。
鳴き声は大きく、ギャーギャー騒ぐように鳴くようです。これはフェネックの習性ですのでがまんしなければなりません。
フェネックの飼育方法
餌の与え方
野菜や果物、昆虫やトカゲ、ネズミのような小型哺乳類までなんでも食べる雑食です。飼育下であればドッグフードをメインにキャットフードを少し与えると良いようです。
フェネックはネコと同様にタウリンが必要と言われていますのでキャットフードで補ってあげてください。
食べ方が猫と同様に与えた者をすぐに全部食べるのではなく、少しずつ食べるのでウェットフードではなくドライフードの方が望ましいと思います。
フードの種類は何がいいなどは特になく、フェネックの好きな味を選んであげると良いでしょう。いろいろ試して「絶品」を見つけてあげてください。
水分は野菜や果物を与えることで十分な量を摂取できるとされていますが、ドライフードでは喉が乾いてしまうのでお水の設置も必要になります。
お皿など下に置くタイプではひっくり返したり、遊んでしまうのでゲージに取り付けられる給水ボトルが良いと思います。そして、絶対に与えてはいけないものがあります。犬猫と同様、玉ねぎやネギ、ニラ、ニンニク、チョコレート、刺激物は与えないでください。
怪我や病気の心配
イヌ科といっても「犬」とは違いますので、お家の近くにフェネックを診てくれる病院を見つけてください。犬とは違うと言いながら、病気や感染症は犬と同様のものにかかってしまうようなので注意が必要です。
そのため予防接種を行った方が望ましいです。ただ犬用の予防接種がフェネックにどこまで効き目があるのか、適した量など医療面も確立されていない状況なので獣医さんにも解らないようです。
動物に限らずですが、予防接種には副作用があることも事実ですので獣医さんと相談しながら摂取することが大切です。
おしっこやウンチなどのトイレ対策
フェネックの排泄物はツンとした刺激臭がします。かなり臭いはキツめのようなので排泄したらすぐに片付けるようにします。
放っておくと自分の糞で遊んでしまうこともあるのですぐに片付けるようにします個体差はありますが、トイレのしつけはできないと思った方が良さそうです。
生後2,3ヶ月頃から根気よく教えれば覚えてくれる子もいるようですが、ペットショップにいる子たちの年齢(月齢)になると難しいかもしれません。トイレはペットシーツや猫砂等、犬猫と同じ物で良いようです。
一箇所に排泄する習性がないのでゲージの中はもちろん、お部屋の中も掃除のしやすいように工夫が必要です。ペットシーツは手の届くところに敷いておくとボロボロにして使い物にならなくなる恐れがあります。
猫砂も同様、砂場の遊び場と化してしまいます。迎い入れた個体がどの程度認識してくれるのか時間をかけてでも理解し、ここに挙げた以外でも後片づけの楽な方法を見つけてください。
最後に
生体価格からしてとてもお高い生き物です。ましてや犬猫のように人にじゃれて甘えて従順なペットにはなりません。トイレのしつけも難しく、予防接種や病院代もかかります。夜はうるさく、排泄物は臭く、安易に見た目の可愛さだけで飼うことだけは避けてください。
まだ飼育環境も確立されていない生き物です。しっかり獣医さんと話し合い、フェネックともしっかり向き合って育ててあげてください。色々と飼育には手を焼きそうですが、それでも愛好家が多いのはやはり、可愛さから溢れ出る癒しパワーにあるからこそです。
飼い主さんの努力は、可愛い仕草でフェネックから100倍返し!してくれると思います。