キツネの特徴、生態、種類、ペットとして飼えるのかどうか紹介します。
キツネについて
キツネとは、哺乳綱ネコ目(食肉目)イヌ科の動物です。一般的にアカギツネのことを指しています。
アカギツネの亜種は世界中におり、その適応能力の高さを発揮して様々な環境でも生息しています。
生息地は?
キツネは非常に適応能力が高く、世界中の様々な所で生息しています。標高数千メートルの高地、砂漠、アフリカの草原地帯など。
普段見かけることはありませんが、都会でもひっそりと生息していますよ。
キツネの特徴
キツネと言えば、ふわふわした尻尾、大きな耳、ツンと尖った鼻。見た目的にはイヌと似たようなシルエットをしていますね。
体格も小柄で、オオカミなどに比べるとかなり小さめです。体重もオスが5.9kg・メスが5.2kg程となっています。
生態
非常に用心深い性格のため、主に早朝と夕方に活動しています。また頭も賢いため人間の危険性を分かっており、その姿は滅多に見ることはできません。
小柄な体格を活かしてとても俊敏な動きをします。キツネの跳躍力は素晴らしく時には2メートル近くジャンプすることもあるそうです。また、泳ぎも上手ですよ。
繁殖
繁殖期は生息域によって差はありますが、大体12月~2月頃の冬の季節に繁殖期を迎えます。妊娠期間はおよそ1か月半~2か月ほどで春ごとに出産を迎えます。
生まれたての子どもは体長9~10cm、体重は100~150g程です。この間、雄も積極的に育児に参加し、餌などを運んできたりもします。
キツネは普段は単独で行動していますが、交尾期になると家族を形成し、こどもが大きくなるまで家族単位で生活をしています。
食料
キツネは雑食性で、昆虫、魚、カエル、小形の哺乳類、果実などを食べています。特に、生肉を好み、狩りをして小動物を捕獲して食料としています。
時には人間のいる場所で残飯をあさったりすることもあります。
おおよそ1日に約1キログラムの餌を食べます。穴を掘ることが得意なので、満腹のときは穴を掘って獲物を隠し、あとでゆっくり食べることもあります。
寿命
キツネの寿命は約10年前後といわれています。しかし、野生下では、近年の環境破壊による食糧不足などから年々平均寿命が減ってきています。
また、キツネには天敵が数多くおり、クマ、オオカミ、ワシなどに襲われるケースも多々あります。
寄生虫について
キツネには、エキノコックスと呼ばれる寄生虫がいることがあります。野ネズミなどを食べることによってエキノコックスに寄生されます。
エキノコックスは、人間にも感染する可能性がある寄生虫であり、感染すると肝臓に病巣を作り、最悪の場合は死に至ることもある病気を発症させるのです。
世界のキツネの種類
チベットスナギツネ
出典:netgeek
チベットスナギツネはネパールやチベットの高地に生息しています。体長は60~70cm体重は4~5kgほどになります。チベットスナギツネの特徴といえば、角ばった顔と小さな細い目です。
砂埃から目を保護するための小さな目と熱を逃さないために毛が襟部分に集中して映えているためこのような風貌となっています。
肉食でウサギを主として食べています。他にモルモットやトカゲ、昆虫などの生き物を餌としています。
ケープギツネ
出典:Wikipedia
アフリカ南部の草原地帯や、乾燥地帯に生息しています体長は45~60cm、体重は2~4kgほどになります。
普段は単独で生活をしています。夜行性で昼間は岩の隙間、巣穴などで休んでいます。雑食でおもに昆虫、小型の哺乳類を食します。
ギンギツネ
ギンギツネは、北半球で広く分布しています。アカギツネが突然変異によって黒色化した種です。
アカギツネの中から一定の確率でギンギツネが生まれてきます。カナダではアカギツネ全個体数の約8%が、ギンギツネと言われています。
基本的な習性はアカギツネと同じです。夜行性でネズミや昆虫、爬虫類を食しますギンギツネの毛皮はとても美しく、高級品とされています。
ハイイロギツネ
アメリカ大陸に生息する背中が灰色の毛でおおわれた種です。体長52~70cm、体重2.5kg~8kgほどです。
ハイイロギツネは木に登ることができ、樹上で暮らすこともあります。天敵から逃げる時に木へ登って逃げ込むこともあります。
ホッキョクギツネ
北極地帯に生息する全身が白い毛に覆われたなキツネです。ただし、夏になると毛が生え変わりは銀茶色になります
寒さに非常に強く-70℃の寒さにも耐えることができます。肉食でホッキョクグマの食べ残しを食べることもあれば、自分で狩りをすることもあります。
嗅覚が非常に鋭いため、雪の中に埋もれている獲物を見つけることもできます。
日本のキツネの種類
日本にもキツネは生息しています。アカギツネの亜種であるホンドギツネと、北海道に生息しているキタキツネの2種類です。
ホンドギツネ
ホンドギツネは本州、四国、九州など、日本全土に幅広く生息しています。全体的に黄色がかっており、よくいわれるキツネ色そのものの色をしています。
通常や山里に生活していますが、近年では食糧不足の影響で農耕地に頻繁に出没し、作物を荒すなど、非常に問題視されています。
耳介と後ろ足が短め、足先の黒斑が細いのが特徴です。
キタキツネ
北海道に生息しています。ホンドギツネに比べると耳も大きく、後ろ足も長めで、足先の黒斑は太目です。キタキツネは生息数の増加が報告されているそうです。
キツネはペットとして飼えるの?
キツネをペットとして飼うことはできます。ですが、非常に警戒心が強く、イヌと違って人と主従関係を結ぶということはありません。また、身体能力も高く運動量も多いため、広大な土地が必須です。
一般的なペットショップでは取り扱っていることはほぼないため、エキゾチックアニマル専門のペットショップで購入するしかないでしょう。
他には、野生のキツネを捕獲してペットとして迎え入れるという少々強引な手段もあります。
許可は必要?
キツネをペットとして飼育するのに特別な許可は必要ありません。キツネは許可が必要な「特定動物」には指定されていませんので、いつでも好きな時に 飼い始めることができます。
餌は?
キツネは雑食であるため基本的に何でも食べることができます。なんとキャットフードを好んで食べることもあるそうです。
なんでも食べてくれてありがたいキツネですが、気を付けていただきたいのは、イヌ科に属していますので、玉ねぎなどは避けた方が無難でしょう。
おすすめはフェネック
キツネをペットとして迎え入れるのは少々敷居が高いでしょう。ですが、キツネの中でもペットとして最も購入がしやすいのは、フェネックと呼ばれる小型のキツネです。
体長30~40センチメートル程度で、体重1~2キログラム程度の小型犬と同じくらいの大きさです。
ふわふわの耳と愛くるしい瞳で、エキゾチックアニマル好きから根強い人気を得ています。価格は100万円前後とお高めです。
アフリカの砂漠出身なので寒さに弱く、冬はエアコンやヒーターなどで温度調整が必須です。また、オシッコの匂いが強烈で、トイレの場所を覚えないためその都度処理が必要です。
まとめ
いかがでしたか?小さな体ながらにパワフルな身体能力を持つ、魅力あふれる生き物ですよね。普段は目にすることはありませんが、キツネは古来から私たちと共に生活をしています。
近年の環境破壊で行き場を失くしかけているキツネたち。愛くるしいキツネたちとうまく共存できる道を見つけていきたいですね。