ペットショップへ行くと可愛らしいウサギがたくさんいますよね。いったいどのくらいの種類がいるのでしょうか?日本でペットとされているウサギの種類とその名称は、主にARBA(American Rabbit Breeders Associationの略、アメリカンラビットブリーダー協会)の認定に従っています。
参考までに、世界的なウサギの権威にはもうひとつ、BRC(British Rabbit Councilの略、英国ウサギ評議会)という機関があり、国によってどちらの基準を採用しているかが違います。現在のところARBAが公認している品種は49種類ですが、日本で人気の高いウサギをご紹介します。
日本でペットで飼われているうさぎの種類
ホーランド・ロップ(Holland Lop)
出典:うさぎ専門店ちゅらうさぎ
- 体重:1.8kg以下
- 垂れ耳・短毛
- 原産国:オランダ
可愛らしい垂れ耳と平たい顔が特徴的で、日本だけでなく世界中で人気の高い小型ウサギです。カラーバリエーションは30種類以上あり、模様も色々なパターンがあります。
名前に「ロップ」がついているのは垂れ耳のウサギのことで、総称して「ロップイヤー」と呼ばれることもあります。
ARBA(アメリカンラビットブリーダー協会)が公認している垂れ耳ウサギの品種は、「アメリカン・ファジー・ロップ」、「イングリッシュ・ロップ」、「フレンチ・ロップ」、「ホーランド・ロップ」、「ミニ・ロップ」の5種類です。
お店によっては、小型の垂れ耳ウサギを「ドワーフ・ロップ」として販売していることがありますが、これは品種名ではないので注意してくださいね。
ネザーランド・ドワーフ(Netherland Dwarf)
- 体重:1.13kg以下
- 立耳・短毛
- 原産国:オランダ
ホーランド・ロップと人気を二分する小型ウサギで、ペットのウサギの中では一番小さい種類になります。一番小さい立耳ウサギが「ネザーランド・ドワーフ」、一番小さい垂れ耳ウサギが「ホーランド・ロップ」と覚えておくといいですよ。
「ドワーフ」は「小人」という意味なので、その名の通り小さいウサギであることを示しています。色や模様は多種多様で、一つを選べないほど可愛らしいウサギがたくさんいます。
ARBA(アメリカンラビットブリーダー協会)の公認品種で「ドワーフ」とつくのは、「ネザーランド・ドワーフ」と「ドワーフ・ホト」だけなので注意してくださいね。
時には「xxx・ドワーフ」という別の名前で小さなウサギを販売していることがありますが、そちらは小柄な親同士を掛け合わせた雑種ということになります。
また、雑種の赤ちゃんウサギを「ネザーランド・ドワーフ」として売っている場合があり、将来的に大きくなりすぎるといったトラブルも起こっています。
購入の場合は、血統書や繁殖証明書、ブリーダーの評価などをしっかり確認してくださいね。
ライオンヘッド(Lionhead)
- 体重:1.13kg~1.7kg以下
- 立耳・長毛
- 原産国:ベルギー
ライオンヘッドは比較的新しい種類の小型ウサギで、頭と胸にライオンのタテガミに似た長い毛が生えているのが特徴です。
ベルギーのブリーダーが長毛の小型ウサギを作ろうとして、「スイス・フォックス」と「ネザーランド・ドワーフ」を掛け合わせたことから生まれました。
ライオンヘッドは、BRC(英国ウサギ評議会)では2002年から公認されていた種類ですが、アメリカでラビット・ショーに出始めたのは2014年のことです。
ARBA(アメリカンラビットブリーダー協会)ではまだ「開発証明書」をもらった段階ですが、5年以内に3回のプレゼンテーションに成功すれば正式に認定される予定になっています。
日本では、「ライオンラビット」「ライオンドワーフ」「ライオンロップ」などの名称で似たようなウサギが販売されていますが、血統書がつくのは「ライオンヘッド」だけなので、それ以外は雑種と考えておきましょう。
もちろん、可愛いウサギさんなら血統書なんて関係ないのですが、雑種の場合は成長後のサイズがどのくらいになるかわからないので、購入の場合には親ウサギの情報をしっかり確認することをおすすめします。
イングリッシュ・アンゴラ(English Angora)
- 体重:3.40kg以下
- 立耳・長毛
- 原産国:トルコ(品種改良イギリス)
ARBA(アメリカンラビットブリーダー協会)では4つのアンゴラ種が公認されていますが、イングリッシュ・アンゴラはその中で一番小さい品種になります。
体だけでなく、耳や足にもウールの毛が生えているのが特徴です。
毛が長くなると顔が隠れてしまうほどで毛玉のような可愛らしさがありますが、様々なカットスタイルを楽しむこともできます。
フレンチ・アンゴラ(French Angora)
出典:P&LUXE
- 体重:4.76kg以下
- 立耳・長毛
- 原産国:トルコ(品種改良フランス)
フレンチ・アンゴラは4つあるアンゴラ種の中でも一番トルコのオリジナルに近いと言えるでしょう。体は長毛の毛皮で覆われていますが、耳や顔、脚には長い毛はありません。
ガードコートは硬いストレートで量が多いため、イングリッシュ・アンゴラに比べると少し硬い手触りがします。手入れしやすい毛質ではありますが、それでも日々のブラッシングやケアは欠かせません。
ミニ・レッキス(Mini Rex)
- 体重:2.04kg以下
- 立耳・短毛
- 原産国:フランス
19世紀後半のフランスで「レッキス」の小型版として生まれた品種です。
その少し前に生まれたレッキスは、「生きるベルベット」と呼ばれるほど素晴らしい毛皮を持っていることで広く知られるようになりました。
短い被毛はアンダーコートとガードヘアーから成る「ダブルコート」ですが、レックスの場合はアンダーコートとガードヘアーが同じ長さで、毛が立ち上がっていることからとても手触りがいいのです。
色は、黒、ブルー、キャスター、チンチラ、チョコレートなど多数あり、模様も様々なパターンが公認されています。
ジャージー・ウーリー(Jersey Wooly)
出典:バニーファミリー横浜
- 体重:1.59kg以下
- 立耳・長毛
- 原産国:アメリカ
アメリカのニュージャージー州で「ネザーランド・ドワーフ」と「フレンチ・アンゴラ」を掛け合わせて作られたのがジャージー・ウーリーです。
小型でウールのようなフワフワの長毛を持った品種です。
その他の特徴としては、短い立耳は6cmちょっとの長さで長すぎてはいけないことや、頭部はしっかりした四角形であることが挙げられます。
アメリカン・ファジー・ロップ(American Fuzzy Lop)
- 体重:1.81kg以下
- 垂れ耳・長毛
- 原産国:アメリカ
「ホーランド・ロップ」と「フレンチ・ロップ」を掛け合わせて生まれた品種です。見た目はホーランド・ロップによく似ていながら、ウールのようなフワフワの柔らかい長毛を持っているのが特徴です。
色や模様の種類はたくさんありますが、アメリカのラビット・ショーでは2つのカテゴリーに分けて出場します。ひとつは純白無地で目がルビー・アイかブルー・アイのもの、もうひとつはその他の全ての色パターンです。
ドワーフ・ホト(Dwarf Hotot)
出典:有限会社プラスト
- 体重:1.36kg以下
- 立耳・短毛
- 原産国:ドイツ
ホトは、もともとは毛皮と食用肉を取るために1900年代初頭に開発された種です。
フランスのホト地方で作られたことが名前の由来ですが、フランス名の「Blanc de Hotot」は「ホトの白」という意味で、その名の通り純白のウサギです。
目の縁に黒いアイラインが入っていて、印象的な黒い瞳を持っているのが特徴です。その後にドイツで小型化されたのがドワーフ・ホトで、基本色の純白のほかに黒や茶色の模様が入ったものも公認されています。
いかがでしたか?日本ではやはり小型のウサギが人気ですね。中にはまぎらわしい名前を使っていたり、雑種を偽って販売しているケースもありますので注意してくださいね。
ブリーダーさんによってはARBA式の血統書をつけてくれたり、ミックスウサギでも繁殖証明書を発行してくれるところがあるようです。
購入を考えるときは、是非しっかりしたブリーダーさんを選んでくださいね。