時に弾丸をも弾き飛ばすほど強靭な鱗甲板を持つアラゲアルマジロ。
その独特の見た目から気難しそうなイメージを持たれがちではありますが、実は人に懐きやすく犬のような満足感を与えてくれることから日本国内でもペットとしての需要が高い生き物です。
アラゲアルマジロをお迎えする前に知っておくべきことをご紹介したいと思います。
アラゲアルマジロとは?
出典:有限会社プラスト
アラゲアルマジロは南米を中心に生息するアルマジロの一種で希少性の高い種類です。
天敵から身を守るために体毛が頑丈な鱗状へと変化していることからも攻撃性は低い一方で臆病な性格なので飼育する際は信頼関係の構築が最も大切となってくるでしょう。
一度懐くと犬のように甘えてくるため非常にペットを飼育する満足度が高い生き物で、鑑賞動物というよりはパートナーとしてお互いにコミュニケーションを取りながら家族として過ごすことになります。
アルマジロは穴を掘って休む事が多いため狭くて暗いシェルターを用意するか牧草などを厚く敷いてあげる必要があります。
販売価格
出典:ついっぷる
アラゲアルマジロの販売価格は約30~50万円です。年々その数は減少しているため販売価格もどんどん上がっています。珍しい種類なので里親募集されることもなく専門店でお迎えする他はありません。
特に飼育許可を得る必要はなく面倒な手続きは不要ですが、万一お住まいの自治体で飼育することを申告する必要がある可能性もあるため調べておくと安心です。
寿命
アラゲアルマジロの寿命は約15年です。一般的な犬や猫と同じくらい長生きしてくれますので、お迎えしたら長い付き合いになるでしょう。
中には20年以上生きた個体もいるそうなので定期的な健康診断や栄養バランスを考えた給餌を心掛けると長生きしてくれることでしょう。
アラゲアルマジロの飼育方法
出典:那須どうぶつ王国
アラゲアルマジロは室内で犬や猫に使用するケージで終生飼育が可能です。
一日の大部分を寝て過ごすアルマジロはそれほど大きなケージは必要ありませんが、ケージ内に隠れ家となる屋根付きのソファなどを入れてあげてください。
運動不足は肥満やストレスの原因となりますので、散歩に行かなくても一日数回はケージの外で遊ばせるようにしましょう。糞きりの網のような隙間のある床は怪我をする原因となるので隙間のない平らなものを選んでください。
残念ながらアルマジロは犬や猫のように一箇所でトイレをすることは少なくケージのあちこちで排泄するため見つけ次第掃除をしてあげてください。飲水はボウルに入れて毎日交換してください。
アラゲアルマジロは穴を掘りやすくする関係で爪が異常に長く伸びますので飼育者の怪我防止や床を傷つけないためにも定期的に爪切りをしてあげてください。
お庭で自由に遊ばせても問題はありませんが、ダニや細菌類が付着して病気になってしまうことがあるので注意しましょう。
万一病気になってしまった場合は一般的な動物病院ではなくエキゾチックアニマル対応かつアルマジロを受け付けてくれる動物病院に行かなければなりません。
アラゲアルマジロは比較的温暖な地域に生息している動物なので暑さには強い反面、寒さには極端に弱いため冬場はエアコンなどで部屋の温度をあげるか、保温球などを利用して飼育ケージ内だけは温めるようにしてください。
おおよそ20℃を上回る程度には保温してあげてください。またある程度の湿度は必要なので加湿器などでお部屋全体の湿度を一定に保つように心掛けてください。
アルマジロは薬品に弱いため蚊取り線香やエッセンシャルオイルなど人には無害なものでも極力飼育部屋で使用しないでください。
犬猫用のおもちゃを入れておくと一人遊びをしていることもあるので暇つぶしに使えるようにいくつかケージ内に入れておくとストレス緩和にもなりオススメです。
餌の与え方
出典:撮った写真をうpしてみました
アラゲアルマジロの食性は雑食で昆虫類や小型の哺乳類、爬虫類などからタンパク質を補給して果物や野菜からビタミン類を摂取します。
飼育下では栄養バランスが整えられているドッグフードがお勧めですが、嗜好性が低くおやつに美味しいジャーキーなどを与えてしまうと食べなくなることがあります。
爬虫類や大型魚用に販売されているコオロギやローチなどを与えても良いでしょう。給餌頻度は一日2回程度に分けて与えます。与えすぎは肥満に繋がるので体重を測りながら給餌量を調節してください。
ちなみにミルワームなどの幼虫類は嗜好性が高くおやつに最適な生餌ですが、あまり栄養価が高いとは言えずメイン食材として与えることは避けましょう。
飼育上の注意点
食べられそうな物は何でも口にするのでお部屋やお庭で自由にさせる場合は予め食べてしまいそうなものはないか必ず確認をしてから放すようにしてください。
餌に味付けをするとカロリーが高くなり肥満に繋がったり、調味料に含まれる成分がアルマジロにとって良くないこともあるので避けましょう。
恐らく日本国内にアルマジロをしっかりと診察できる獣医はとても少ないと思われるのでお迎えする前に専門医のいる動物病院を調べておくことをお勧めします。