ケープハイラックスは小さな耳と短い尻尾が可愛らしく何処かモルモットやネズミに似ているイワダヌキの仲間です。ケープハイラックスの飼育方法、販売価格、餌などについて紹介します。
ケープハイラックスとは?
出典:横浜市緑の協会
ケープハイラックスは哺乳類に分類されていますが、体温調節がし辛く外気温に影響されやすい身体をしていることから寒い時には日光浴を行い、暑い時には日陰で過ごすことになります。
遺伝子的にはゾウに近い動物と言われており、歯はサイに似ている珍しい動物です。アフリカに広く生息しており、熱帯雨林というよりはサバンナや砂漠といった乾燥地帯に多く見られます。
本種は群れを成して生活することから飼育下においても問題なく複数飼育が可能となります。一応昼行性とされていますが、夜間でも明るい場所であれば活動しているようです。
テリトリー意識が強いため排泄物を同じ場所で行う習性があることを利用してトイレを覚えさせることも可能です。
寿命
出典:横浜市緑の協会
ケープハイラックスの寿命は約15年と言われています。医療の発達した現在では20年近く生きる個体も珍しくないでしょう。野生下だと病気や天敵に襲われることがあるため10年前後となっています。
一年強でアダルト個体になりますが、生後3年前後までは成長します。飼育下では肥満やストレスに気をつけていれば大きな問題となることは少ないようです。
販売価格
ケープハイラックスの販売価格は20~30万円程度です。昔は日本でも多く流通していたようですが、感染症などの都合から徐々に流通数が減少しており現在では高値で取引されるようになりました。
また国内で流通している個体は近親交配が進んだものも多く生まれつき身体が弱いことが多いので、購入前に確認しておくことをお勧めします。
ペットとしてのケープハイラックスの飼育方法
出典:動物園放浪記
ケープハイラックスは最大でも50cm前後にしか成長しない小型哺乳類なので小型犬に使用するケージで飼育することができます。
野生下では樹上生活を送る個体もいるようですが、飼育下では登木を設置するスペースがなければ無理に置く必要はありません。
本種は体温調節機能が弱いため昼間は25℃以上、夜間は20℃前後に温度調節をしましょう。爬虫類飼育に使用するバスキングライトを設置しておくと日光浴の代わりとなり体調をコントロールしやすくなります。
ケープハイラックスは岩陰に隠れて休む習性があるのでなるべく隠れ家となるようなものをケージの中に設置してあげましょう。
水飲み場は犬やウサギ飼育に使用する給水器をケージに設置しておいて給餌する際に飲水も一緒に与えるようにして水分補給させてください。
給水器に入れる水は数日間交換しないことを考えるとカルキを抜かずに水道水をそのまま入れるほうが腐りにくいのでお勧めですが、ごはんと一緒に飲む水はなるべく浄水器を通した水やミネラルウォーターなどカルキを含まない水を与える方が肌荒れ等のトラブルも未然に防ぐことに繋がります。
特に屋外へ散歩に出かける必要はないのですが、ストレス解消と運動不足解消のためにもケージの外で自由に遊ばせる時間を一日に2~3回程度与えてください。
その際にコードで足を引っ掛けたり尖ったもので怪我をしないように安全を確認してから遊ばせるようにしましょう。
また、常に飼育者が監視しておき、外に逃げ出したり危ないところへ行かないか注意しておく必要があります。
ケープハイラックスとコミュニケーションを取りたい場合は必ず背後から触ることはせずに手を見せて触れることを確認させてから触るようにしないと噛みつかれたり驚いてストレスを与えてしまうことがあります。
ケープハイラックスの多くはリラックスしていると気怠そうに寝転んでいる姿を観察できるのですが、特に体調不良で元気がない訳ではありません。
体調を確認する方法としては食欲の減衰や排泄物の状態、皮膚や目をじっくり観察すると普段とは違うことに気づくため日頃から注意深く観察して少しでも具合が悪そうなら動物病院で受診することをお勧めします。
本種はげっ歯類ではなくゾウの近縁種なので一般的な動物病院では治療することができないことが多いので診てくれる動物病院をあらかじめ探しておく必要があります。
餌の与え方
出典:動物園大作戦
ケープハイラックスの食性は植物性でフルーツや野菜、木の実などあらゆる植物を食べて生活しています。飼育下でもスーパーなどで購入できる新鮮な野菜や果物を与えると良いでしょう。
草食動物に与えるペレットや乾草も積極的に食べてくれるので毎日献立を考えるのが面倒になった時に与えると良いのではないでしょうか。給餌頻度は1日2~3回程度与えます。
飼育上の注意点
ケープハイラックスを屋外飼育する場合は必ず温暖な季節のみ行うようにして肌寒くなる前に屋内飼育に変更するようにしてください。
温暖な地域に生息している動物で体温調節し辛いことから日本の冬季に耐えることはできません。
狭い場所でも上図に手脚を使って登ることができるので天井もしっかり作るようにして脱走できない飼育ケージを用意する必要があります。必ず雨風をしのげる場所は用意しましょう。