エイリアンのような奇妙な容姿をしていることから多くの人々に恐れられてきたヒヨケムシ。
全身には短い毛が無数に生えており巨大な頭部と鋭い鋏角で威嚇する姿は非常に鑑賞性が高く見応え抜群の節足動物と言えます。ヒヨケムシをお迎えする前に知っておくべきことをご紹介したいと思います。
ヒヨケムシとは?
出典:熱帯倶楽部本店
乾燥地帯を好み夜間にボリュームのある哺乳類や昆虫類を捕食します。非常に不気味な見た目をしていますが、毒は持っておらず人が噛まれて赤く腫れ上がる症状は細菌類による影響と考えられています。
ヒヨケムシのアゴは鋭い上に力強いため取り扱いには十分に注意する必要があります。本種はラケット器官といわれる特殊な構造を持っています。
世界三大奇虫の一つに挙げられているほど動物全体の中でも奇妙な構造をしています。大きさは10cm以上にまで成長する個体も多く、足が長いためより巨大に見えます。
販売価格
ヒヨケムシの販売価格は約5000~10000円です。輸入されてくる個体が多く昆虫や爬虫類を販売するイベントなどで見かけることができます。
またショップのホームページを頻繁に訪れていると稀にヒヨケムシが入荷されていることもあるため、手に入れるためには毎日チェックしてみてください。
稀にネットオークションサイトで出品されていることもあり、ショップで購入するよりも安く入手できることが多いのでオススメです。
寿命
ヒヨケムシの寿命は種類によって異なりますが、飼育下では長くても1年前後となるでしょう。
クモやサソリと比較すると寿命は短い傾向にあるため、短期的な飼育を楽しむペットではないでしょうか。
ヒヨケムシの飼育方法
出典:有限会社プラスト
ヒヨケムシは大きな個体が多いのでなるべく大きなプラケースで飼育してください。プラケースの蓋は必ずヒヨケムシが脱走できないくらいに細かい空気穴の空いたものを選びましょう。
床材は腐葉土や砂などを乾燥させてヒヨケムシの体高の4倍ほど厚く敷き詰めるようにしてください。管理温度は25℃前後、湿度は60%以上にならないように注意してください。
暑さには比較的強い生き物ですが、寒さには弱いので冬季には必ずパネルヒーターなどで保温するようにしてください。
エアープランツなどの植物をアクセントとしてレイアウトしても面白いと思いますが、農薬が含まれている場合は生体へのダメージが計り知れないため事前に無農薬かどうかを確認するようにしましょう。
給餌頻度は成長具合によって異なりますが、ヤング個体までなら2日に一度程度与えてアダルト個体なら5日に一度程度まで頻度を下げます。
ヒヨケムシは沢山餌があっても食べすぎることはないのでそれほど気にせずに毎日入れておいてもいいでしょう。
飼育ケースには必ず薄暗いシェルターや隠れ家となるものを入れておきます。
本種は消化を促す際にひっくり返って日光浴をする個体が多く存在するため、弱いもので問題ありませんのでバスキングライトを設置しておくことをお勧めします。
特に直接照射しないといけないわけではありませんので、プラケースの外側からバスキングライトを照射すると良いでしょう。
バスキングライトや保温器具を使用する場合は周囲に燃える可能性があるものを取り除いてから使用するようにしてください。足場となる木の皮や登木などを入れておくとストレスを緩和させることに繋がるかもしれません。
餌の与え方
出典:ビーボックスアクアリウム
ヒヨケムシに与える餌は市販されているコオロギやローチ、ミルワームなどを与えると良いでしょう。
個体差はありますが冷凍ピンクマウスも食べてくれるヒヨケムシもいるようなので、栄養バランスを考えるとオススメです。
飲水は水分を含ませたスポンジを置いておくだけで良いでしょう。変に水場を設けたり霧吹きをしてしまうと乾燥した環境を好むヒヨケムシにダメージを与えかねません。
複数飼育について
ヒヨケムシは肉食性でクモも捕食対象になっていることから同種間でも餌がなければ共食いが発生します。そのため一つのプラケースで飼育したい場合はそれぞれパーテーションで区切る必要があります。
またブラックヒヨケムシとイエロージャイアントヒヨケムシといった異なる種類のヒヨケムシとも相性は良くありませんので基本的に単独飼育するしかありません。
飼育上の注意点
ヒヨケムシは強靭な肉体と精神を併せ持つ軍人でさえも恐怖を植え付けるほどに恐ろしい見た目をしているため、絶対に逃さないようにしてください。
特に日本国内ではサソリが脱走した際にテレビ報道されるほど大惨事となりますので、十分に注意してください。
手で給餌したりメンテナンスを行うとヒヨケムシの防衛本能が働いて手を噛まれる危険性があるので長いピンセット等を活用して管理するようにしてください。
万一噛まれた場合はめまいや激しい頭痛に襲われる可能性が高いのですぐに病院へ行って診てもらうようにしましょう。本種は夜行性のため夜間に明るい部屋では飼育せずになるべく薄暗い玄関のような場所で飼育することをお勧めします。