カラーバリエーションが豊富で水槽のアクセントにもなる美しいケヤリ。一見するとイソギンチャクのようにも思えるケヤリですが、実はまったくの別物です。
何だか飼育が難しそうでお迎えできていない方も多いのではないでしょうか。ケヤリの気になる飼育方法や特徴、注意点など飼育する上で必要な情報を余す所なくご紹介していきたいと思います。
ケヤリとは?
出典:ケヤリ?: 身近な楽園~ハチの干潟(+美しき海藻たち)
褐藻の一種で鳥の毛がついた槍に似ている生殖器官を持つことからケヤリと名付けられたそうです。日本近海にも生息しており、地域によって様々な種類が生息しています。
安価かつカラーバリエーションが豊富なことからコレクション性が高く異なる色合いのケヤリがセット販売されることも珍しくありません。
純淡水しか経験のない方がいきなりケヤリをお迎えすると難しく感じてしまうかもしれませんが、海水水槽を立ち上げたことのある方にとっては給餌頻度が少なくオートヒーターで終生管理できることから管理が簡単と感じるのではないでしょうか。
ただ美しい状態を維持したまま飼育するにはストレスを極力与えないようにするなどややコツが必要なのも事実です。
販売価格
出典:ヤドログ
ケヤリは多種多様で種類によって大きく価格が異なりますが、大体2000~4000円程度で販売されていることが多いでしょう。
安いものだと1000円未満で販売されているケヤリも存在しますので、まずは安価なケヤリで飼育のコツを掴んでから鑑賞性の高い人気のケヤリに挑戦することをお勧めします。
ケヤリの飼育方法
出典:ねっとで水族館
ケヤリは水質悪化や水温変化によるストレスで鰓冠を自切することがありますので、水合わせと温度合わせはきっちり行い、定期的な水換えと濾過能力の高いフィルターを稼働させて日頃のメンテナンスを怠らないようにしましょう。
管理水温は約25℃に設定して冬季はヒーター、夏季はクーラーを活用することで一年を通して温度変化がないように心掛けてください。
お迎えしたばかりのケヤリは活着するまでにすこし時間が必要なのでなるべく水流を作らないような工夫が必要です。活着を確認したら水流を弱めに設定して水が循環するようにしてください。
止水域ができてしまうと水質悪化の原因となり飼育環境の崩壊に繋がります。液体フードはお迎えしてから2~3日経過した頃に与えてください。
給餌頻度は週に一度程度で問題はなく、頻繁に与えすぎないことが大切となります。美しい容姿を際立たせるために強い光を照らしてしまいがちになりますが、なるべく優しい光量に設定してストレスを与えない方が美しいままで管理することができます。
ただしイバラカンザシなどメタルハライドランプのような強い光量を必要とするケヤリも存在しますので、飼育方法はショップの店員にあらかじめ聞いておくことをお勧めします。
お迎えする時や別水槽に移し替える際は砂で形成された棲管が損傷してケヤリに影響が出る可能性があるので慎重に取り扱うように心掛けましょう。
硝酸塩が多く検出されるような水槽では長期飼育できませんので、立ち上げ期間はやや長めに行うようにして綺麗な水を保てるような環境づくりを徹底してください。
初心者は水量がなるべく多い水槽のほうが維持しやすくおすすめですが、ケヤリ自体はそれほど大きくないので30cmキューブ水槽でも水質管理ができるなら十分終生飼育することができます。
泳ぎ回ることはないので蓋をしなくても問題ありませんが、水滴が飛び散って周囲が湿った状態になることもあるので付属の蓋をしておくと安心です。
ハードチューブとは?
出典:はなちゃんの小さな海
よくケヤリに「ハードチューブ」という表記がされていますが、これは石灰質の棲管を持つことを意味しており、ミドリイシなどの硬い骨格のようなもののことです。
ハードコーラルのサンゴにも言えることですが、飼育方法が難しく水質調整や維持が面倒に思う方もいるほどマメなメンテナンスを要求されます。
その分鮮やかな蛍光色に身を包み、ゆったりと揺れるケヤリは鑑賞性に優れており水槽のインテリア性が劇的に向上するのでショップでは注目の的になることも珍しくありません。
ただ混泳には不向きで単独で管理するようにしないと何かとトラブルが発生しやすくより飼育を難しくしてしまいます。
通常のケヤリを飼育する際の水流よりも若干強めに調整したほうがうまくいくことが多いでしょう。
水換えは3日に一度程度少量行い、フィルターのメンテンナンスも気づいた時に行うようにしてください。一匹あたり1万円以上するハードチューブが多いので失敗はできませんね。
混泳の相性
出典:ござえもんどっとこむ
チョウチョウウオやフグなどはケヤリを捕食するので混泳は避けるべきですが、小型の熱帯魚や貝類とは上手く共存できることも多いでしょう。
ただ積極的に泳ぎ回る魚と混泳する場合は、ケヤリがライブロックや石などに活着してから熱帯魚を導入するようにしないと水流でケヤリが活着できずに落ちてしまうことがあるため注意が必要です。
生息環境が似ているケヤリ同士なら問題なく共存することができます。