ヤモリといえば住宅に住み着いているニホンヤモリを想像する方が多いかもしれませんが、世界には色鮮やかなヤモリが生息しています。
その中でも特に美しい体色をしているヤモリがヒルヤモリです。数種類のヒルヤモリからメジャーなものをピックアップして特徴や飼育方法をご紹介します。
ヒルヤモリの特徴とは?
爬虫綱有鱗目ヤモリ科に属するヒルヤモリはアフリカ大陸やインドに広く分布しています。全長は約10cmのヨツメヒルヤモリから30cm近くまで成長するグランディスヒルヤモリなど種類によって大きく異なります。
鮮やかな緑色が魅力的なヒルヤモリですが、ひっくり返すとオレンジ色や赤色をしていて全身がカラフルに彩られているのが特徴的です。
ペットショップに多い種類
ペットショップではグランディスヒルヤモリ(マダガスカルヒルヤモリ)とヨツメヒルヤモリ、ヒロオヒルヤモリなどが販売されていることが多いように思います。
いずれも樹上生活を送るヤモリでガラス面などつるつるの壁を歩くこともできます。
販売価格
ヨツメヒルヤモリは5000~15000円程度で比較的安価に入手することができますが、グランディスヒルヤモリについては2万円以上で販売されることが多いです。
人気のヒョウモントカゲモドキと比較してもそれほど値段に大差はありませんので、飼いやすい部類の爬虫類ではないでしょうか。
寿命
ヒルヤモリの多くは約5~10年です。
魅力
ヤモリを飼育するとほとんどシェルターから出てこなくて期待はずれに感じてしまう方もいるようですが、ヒルヤモリは昼行性のため明るいところでも活発に動きまわる姿を観察できます。
ゼリーを食べる姿はとても可愛く最高の癒しです。体色は鮮やかな緑色をしているためケージに設置する照明にこだわるとより綺麗なヒルヤモリを見ることができます。
ヒルヤモリの飼い方
出典:杉子WEBlog
飼育環境
ヤモリといえば夜行性のイメージが強いですがヒルヤモリの多くは昼行性です。そのため紫外線ライトが不可欠でヒョウモントカゲモドキやニホンヤモリを飼育するよりも少し難易度は上がります。
樹上性のため高さのあるケージに止まり木をレイアウトして全体を27℃前後に保温してあげましょう。ホットスポットは必要ありません。複数の保温器具やライトを使用するため極度の乾燥には気をつけてください。湿度が低いと脱皮不全を起こしたり体調悪化の原因となります。
対策として底床にミズゴケやヤシガラを薄く敷いて霧吹きを定期的にすることで湿度を保つことができます。
餌の与え方
基本的に動物食なのでコオロギやデュビアなどの昆虫を与えます。バッタなど蹴る力が強い活餌を与える際には後ろ足を切り離してから与えると怪我の予防になります。
個体差はありますが昆虫ゼリーも食べる場合がありますので、餌飽きの防止に入れておくと良いでしょう。活餌が苦手な場合は乾燥、冷凍コオロギをピンセットで動かしてあげると口にすることがありますので一度試してみてはいかがでしょうか。
爬虫類は動く水しか反応しない種類もいますが、ヒルヤモリは水入れに水をいれておくだけでしっかり水分補給をしてくれます。稀にヒルヤモリ専用のジュースが販売されています。
繁殖
出典:田中哲のブログ
ヒルヤモリはペアで販売されていることもあり、一緒のケージに入れておくだけで繁殖にチャレンジすることができます。
幼体も活餌が必要ですのでシルクワームやSサイズのヨーロッパイエコオロギなど柔らかく食べやすいものを与えると良いでしょう。活発に動きまわるため脱走にはくれぐれも注意してください。
多頭飼い
ペアで飼育することは可能ですが、オス同士だとケンカをする恐れがあるため基本的には単独飼育か1ペアのみで飼育してください。
様子を見てケンカをしないようであれば複数匹で飼育することができます。特にメスは複数匹入れても問題ないことが多いです。
なりやすい病気
出典:サウリナ守口店
クル病などの病気対策としてビタミン剤を餌に添加する方法があります。十分な紫外線を用意できれば必要はありませんがライトを長期間使用していると紫外線量が減少するため、念の為に添加することをお勧めします。
万が一、病気かなと感じた際にはエキゾチックアニマルに対応している動物病院で受診することをお勧めします。
ヒルヤモリはこんな人におすすめ
ヒルヤモリは非常に鑑賞性の高いペットです。毎日元気に動きまわって餌を食べる姿を見ることができますし、人慣れするとピンセットから餌を食べてくれるので愛嬌があってとても可愛いです。
人とは違ったペットを飼いたい人やしっかり観察したい人にオススメしたいペットですね。
まとめ
ヒルヤモリをお迎えするか迷っている方は動物園の爬虫類コーナーに展示されていることが多いので実際に見てみると良いでしょう。爬虫類が大好きな人はプヨプヨした足ですばしっこく動きまわる姿に魅了されること間違いありません。
飼育難易度もそれほど高くはありませんので、初心者の方もこの際にぜひお迎えすることをお勧めします。ショップで購入する際は健康体かどうかを必ずチェックしてくださいね。