非常に頭が良く飼育者とそれ以外の人間の顔を見分けることができると言われるほどペットとしてのポテンシャルが高いイシダイ。
イルカのように飼育者とコミュニケーションを取ることができ、撫でたり簡単な芸を覚えさせることもできてしまいます。イシダイをお迎えする前に知っておくべきことをご紹介したいと思います。
イシダイとは?
出典:日本沿岸旅行記
全長60cm前後とやや大柄な肉食魚で白と黒の縞模様が美しく観賞魚としても人気の高い種類です。
日本近海で多く見られる本種は高水温や低水温に耐性がなく20℃前後で管理する必要があるためやや飼育難易度は高めとなっています。
稚魚は色が鮮明でくっきりとしているため鑑賞性に優れていますが歳を取るにつれて地味な色合いへと変色していきます。
野生個体は人影に敏感ですぐに岩陰へと逃げ込んでしまいますが、飼育下だと触ることができるほど人によく懐くので観賞魚というよりペットとしてコミュニケーションを取りながら飼育を楽しく生き物と言えます。
肉食魚かつ大食漢なイシダイは他の熱帯魚と混泳することが難しいためベアタンクの大型水槽で単独飼育か大型魚同士で混泳させることが一般的です。
動画共有サイトでは人に懐いたイシダイを見ることが出来るので一度見てみてください。
販売価格
イシダイの販売価格は5000~10000円程度となっています。
一般的な総合ペットショップで取り扱われていることは少ないので海水産熱帯魚専門店や通販サイトで入荷情報をこまめにチェックすることをお勧めします。
釣りで採集することも可能なのでペットにするイシダイ狙いで釣りに挑戦してみてもいいでしょう。ただ釣り針を使用するため口を怪我してしまうことからしばらく薬浴させる必要があります。
大型魚なので体力があり傷が治り元気になる個体が多いので釣りで採集したイシダイでも十分に飼育することができます。
寿命
イシダイの寿命は長くても20年前後です。個体差が激しく10年足らずで死んでしまう個体も多いのですが、飼育下だと野生個体よりも確実に長生きしますので一度お迎えすると長い付き合いになることを覚悟しましょう。
釣りで採集した個体は寄生虫に感染していることもあるためそれほど長生きしない傾向にあります。
イシダイの飼育方法
出典:海遊館
イシダイは50cm以上に成長しますので水槽は180cm規格以上のものを使用してください。底床にサンゴ砂を使用してもいいですが排泄量が多く掃除をこまめにする必要を考えるとベアタンクがおすすめです。
何も加工していない水槽のままだと照明の光が反射してイシダイの体色が抜けてしまう可能性があるのでなるべく黒くするなど工夫を施す必要があります。
換水頻度にもよりますがなるべく濾過能力の高いフィルターを使用するようにして換水も週に一度は必ず行うようにしてください。
イシダイは極端に水質悪化に弱いということはないのでオーバフローのような大規模な設備を用意する必要はありませんが、綺麗な水で飼育するに越したことはありません。
排泄物の量が多いので水換えとは別に毎日スポイトなどで取り除くようにしないと水質悪化に繋がります。
飼育水を作るときは必ず海水の素を使用するようにして食用の塩を使わないようにしてください。塩分濃度は購入したお店の飼育水や釣ってきて場所に合わせるようにしてください。
海水の素として販売されている多くの商品はカルキ抜きの役割も果たす物が多いためハイポが不要なものか確認してください。
冬場と夏場は水温に注意する必要があり、20℃前後になるように温度調節のできるヒーターや水槽用のクーラーを設置してください。
お部屋で飼育する場合は年中20℃前後に温度を設定しておくとトータルで水槽ごとに温度調節機材を設置するよりも電気代が安くなることがあります。
イシダイは飛び跳ねることがあるので必ずフタをするようにしてその上から重りを乗せて水槽の外へ出ないように工夫する必要があります。
水槽用の蓋は隙間が多く使い物にならないことが多いため、100円均一などで販売されているプラスチック製の鉢底ネットを活用すると隙間なく通気性抜群の蓋を作ることができます。
餌の与え方
出典:マンぶーンの生活
イシダイは肉食魚なので甲殻類や小魚、貝類など様々なものを食べます。手に入りやすいものだとアサリやハマグリなどの貝類は安価でオススメです。
個体差はありますが肉食魚用に配合された人工飼料も食べてくれますので徐々に慣らしていくとランニングコストが抑えられてオススメです。
魚の切り身や鶏肉なども食べてくれるので人間用に購入した食材を少しイシダイに与えても良いでしょう。
またコオロギやカマキリといった昆虫類も食べますが都心部の公園や空き地などで採集した昆虫類は除草剤や殺虫剤が付着している可能性が高いので与える場合は、ペットショップで販売されている餌用の昆虫を与えるようにしてください。
頑丈な歯を持っているためザリガニのような硬い甲殻類や貝殻ごと貝類を与えてもバリバリと噛み砕いて食べるのでいちいち食べやすいように調理しなくても問題ありません。