柄や色、巻き毛などの種類の多さから、鑑賞用としても人気の十姉妹ですが、小さいスペースでも飼育でき、体も丈夫で飼いやすいことも魅力です。その為、初心者にはお勧めのペットです。
十姉妹(ジュウシマツ)の飼育方法
何よりも大きな特徴は子育てが上手なことで、卵から雛を孵して繁殖することも比較的簡単にできてしまうのです。十姉妹は温和な性格で、一羽で飼うよりも数羽で生活させることに向いています。
十姉妹を飼う際には家族の一員として大切にすると、十姉妹も人間を仲間として認識するようです。仲間との調和が優れており、同じ鳥かごに数羽で飼育しても弱い個体を攻撃する事は滅多になく、仲良く暮らす事ができます。
逆に一羽で飼うと、ストレスを感じるので少なくともペア飼いをお勧めします。
育てるのに用意するもの
- 鳥かご:約5千円
- つぼ巣:約千円
- バードバス:約千円
- ボレー粉入れ:約五百円
これらで飼育が始められます。餌入れ、飲み水入れ、青菜入れは鳥かごにセットになっている場合が多く、止まり木も二本くらいついています。
レイアウトのポイントは、3つあります。
- つぼ巣をゲージの上の方に設置すること
- 止まり木を下段と中段に階段状に配置すること
- バードバスが糞で汚れるのを防ぐために、止まり木の下に置かないこと
鳥かごの下は引き出し式の排泄物受けがあるので、新聞紙を敷いて使います。出来るだけマメに掃除して清潔を保ちましょう。
餌の種類と与え方
十姉妹はフィンチの一種なので、小鳥用の配合飼料を与えます。中身はヒエ、キビ、アワ、カナリアシードなどで、皮付きと皮なしの2タイプが主流ですが、皮付きの方がよく食べるようです。
餌箱の中に皮を残すので、見た目には減っていないように見えても実は空っぽになっているなんてこともあり、初心者にはありがちな失敗です。餌箱の上の方に息を吹きかけてみると殻だけが飛んで行くので、試してみて下さい。
また、餌箱の中で虫が湧くこともあるので、2日に一度は残っていても餌は全て取り替えた方が良いでしょう。カルシウム補給のために、ボレー粉をあげます。
ボレー粉とは、牡蠣などの殻を砕いたもので、卵詰まりを防いだり雛の成長を助ける働きをします。ビタミン補給には小松菜やハコベなどの青菜を少量与えます。下に敷くのではなく、青菜入れを使って止まり木の近くに引っ掛けておくと食べやすいでしょう。
水浴び
バードバスは、水浴びによって体についた虫を落としたり、換羽を促すために使います。大体の十姉妹は水浴びが好きなので、暖かい日中にしているようです。
羽ばたいて水を撒き散らすので、周りがかなり汚れてしまいます。鳥かごの横部分に、高さに対して3分の1程度のビニールを巻く、水が飛び散る辺りに雑巾を予め置いておくなど、工夫されている飼い主さんもいるようです。
バードバスは糞などで汚れやすく、匂いもきつくなるので毎日取り替えて下さい。清潔な水で水浴びさせて、皮膚病を防ぎます。
家の中で放鳥して遊ぶ
運動不足解消や、飼い主さんとのふれあいの為に室内で放鳥する場合は窓を閉めておき、室内での事故に気を付けましょう。付いてきていることに気がつかず踏んでしまったり、ドアに挟んでしまったりと、意外にも放鳥での事故は多いのです。
また、鳥類は基本的にトイレの躾はできません。排泄物を体の中にためておくという仕組みがないので、部屋の中が汚れるのは覚悟し、気がついたらマメに取り除きましょう。
繁殖について
十姉妹は子育てが上手なので、雄と雌でペア飼いをすると比較的簡単に、自然な流れで繁殖します。卵から雛を孵して家族を増やすという楽しみ方ができるのは、十姉妹の魅力でもありますか、増えすぎや近親交配に気をつけなければいけません。
子供を望まないならば、つぼ巣を入れない、ペア飼いを同性同士にするなどで対応すると良いでしょう。
つぼ巣について
十姉妹はつぼ巣が無くても問題なく飼育できます。夜も止まり木の上で眠る事ができるので、必ず必要という事ではないのす。つぼ巣は、設置すると喜んで使ってくれますが、十姉妹にとって発情の条件になるようです。
巣がある事で卵を産もうとするので、子供を増やさないのならば、設置しないのも選択肢の1つです。つぼ巣が無ければ産卵はしません。
ただ、冬場には暖かく過ごせるので冬支度として使うこともあるようです。巣材を鳥かごに入れておけば、自分達でつぼ巣の中に運んで巣作りする様子が見られます。
卵を産むことで体力を消耗し、寿命を縮めることを考えると、つぼ巣を設置するのは出来るだけ控えた方がいいかもしれません。また繁殖する場合でも、体の負担を考えて年に一回に留めます。十姉妹は3歳以降の繁殖は控えましょう。
手乗りにするには
十姉妹は臆病な性格です。一羽では落ち着かないのはこの性格の為だと考えられます。複数羽で同じ行動をする事で、安心して暮らしていけるのです。それを踏まえて、手乗りにするには雛の頃から人間が餌を与えて育て、信頼関係を築く必要があります。
つまり、飼い主さんが十姉妹にとっての仲間になる事で、心を開いてくれるようになるのです。しかし、子育て上手な親鳥とは違い、人間が温度管理や餌をやることで成長に影響が出たり、体調を崩し、落鳥することもあります。
また、寂しがらないように出来るだけコミュニケーションをとるようにしなければいけません。これらのメリット、デメリットをよく考えて手乗りにするかどうかを決めましょう。